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米国農務省による世界の大豆需給予測(2021年1月)

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2020/21年度大豆生産量、前年度比でアルゼンチンが減少、中国が増加に転換

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2021年1月12日、「Oilseeds:World Markets and Trade」において、2020/21年度の世界の大豆需給予測値を、また同日、米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は、2020/21年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値をそれぞれ更新した。
 これによると、2020/21年度の世界の大豆生産量は、米国およびアルゼンチンが単収の減少により前月よりそれぞれ95万トン、200万トン下方修正されたものの、中国が作付面積および単収の増加により前月より210万トン上方修正されたことなどから、全体で105万トンの下方修正にとどまり、前年度比では7.3%増の3億6100万トンとかなりの程度増加すると見込まれている(表)。国別では、最大の生産国であるブラジルが、同5.6%増と見込まれている。また今回下方修正された米国は、不作となった2019/20年度から作付面積、単収とも回復し、同16.4%増と前年度を大幅に上回ると見込まれている。アフリカ豚熱から豚飼養頭数の回復が進む中国は、同8.3%増と増加に転じ1960万トンと高水準の生産量になると見込まれている。一方、アルゼンチンは3回連続で下方修正され、同1.6%減と減少に転じると見込まれている。これは、ラニーニャ現象により同国中部を中心に乾燥気候が続くことに加え、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)による経済状況の悪化により、生産者の作付け意欲が低下しているためとみられる。
 輸出量は、米国が75万トン上方修正されるなど、全体で62万トン上方修正され、前年度比では2.7%増の1億6910万トンと見込まれている。国別では、米国が中国からの需要を背景として同32.4%増と前年度を大幅に上回る一方、ブラジルやアルゼンチンはそれぞれ同7.7%減、同29.8%減と前年度を下回ると見込まれている。また、輸入量は、カナダからの輸入が増加する米国が54万トン上方修正されるなど、全体で51万トン上方修正され、同0.9%増の1億6684万トンと見込まれている。
 消費量(搾油仕向量)は、米国がアルゼンチンからの大豆かす輸出減の影響により13万トン上方修正されるなど、全体では17万トン上方修正され、前年度比4.0%増の3億2181万トンと見込まれている。国別では、アフリカ豚熱から豚の生産の回復が続く中国が同8.2%増の9900万トンと前年度をかなりの程度上回っている。
 期末在庫は、中国が生産増により上方修正される一方、生産減の米国やアルゼンチンなどが下方修正され、全体では133万トンと5カ月連続で下方修正され、前年度比11.6%減の8431万トンと見込まれている。国別では、米国が同73.4%減の380万トンとなり、2013/14年度以来、最少となると見込まれている。
表
【井田 俊二 令和3年1月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 国際調査グループ (担当:井田 俊二)
Tel:03-3583-9472