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2021年においても砂糖輸入に対する免税措置を実施(パキスタン)

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最終更新日:2021年4月2日

 世界有数の砂糖生産国であるパキスタンは、消費量の多くを自国の生産で賄っているが、砂糖需要の増加に伴う価格高騰時においては、輸入及び外国産砂糖に対する諸税の免税等の対応を行っている。
 
 同国では2020年11月に、パキスタン貿易公社(TCP)を通じた海外産砂糖の輸入および国内市場へ供給の円滑化等の措置の実施を受けて、国内の砂糖価格は1キログラム当たり100ルピー(88円)を超えていたものが、2020年12月には同約80ルピー(70円)まで価格を下げたことで、同国首相は当該措置を高く評価していた。しかし、その効果は長く続かず、その後数週間で価格は同90ルピー(79円)にまで値を戻し、首都カラチや同国第二の都市ラホールの大都市圏では、再び同100ルピー(88円)に達していた。
 
 こうした状況の中、パキスタン連邦歳入庁(FBR)は2021年2月19日、国内の砂糖価格の安定化と供給不足の補完を目的とし、合計85万トンの海外産砂糖に対する諸税(売上税および最低付加価値税)の免除を通知した。このうち50万トンはTCPを通じて輸入し、残りの35万トンは、TCP以外の精製糖工場などの民間輸入枠として配分する。なお、TCPが輸入する場合は、通常の砂糖輸入で付加される17%の売上税と3%の最低付加価値税の全額が免除され、民間輸入分については、2021年6月30日までの輸入砂糖係る付加価値税のみが免除される。
 
 同国政府は、今回の措置を通じ、需要期である5月中旬のラマダン(断食月)明けの祭り(イード・アル・フィトル)までに、少なくとも5万トンの砂糖輸入を目指すとしている。
表
 なお、世界第5位となる2億777万人の人口を抱える同国は、砂糖生産量および消費量はともに世界第8位の有数な生産・消費国で、2020年にも同様の理由で免税枠の設定と砂糖輸入に係る入札が実施されている(図)。

(注)為替レートは1パキスタン・ルピー=0.88円(2021年3月末日TTS相場)を使用した。
 
図
【水野 崇 令和3年4月2日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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