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2020/21年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第7回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は4月8日、2020/21年度第7回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1、2)。この調査は、春播きの夏作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋播きの冬作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

トウモロコシ生産量、第2期作を中心に増産の見込み

 2020/21年度(第1〜第3期作)のトウモロコシ生産量は、前回より89万6900トン増と3カ月連続で上方修正され、前年度比6.2%増の1億896万5600トンとなり、統計を取り始めて以来最大となった2019/20年度をかなりの程度上回ると見込まれている。生産量は、この3カ月間で665万2400トン上方修正されたこととなる。これは、国内外の需要が強く市場価格が堅調であり、生産者の作付け意欲が強いためとみられる。
 生産量全体の2割強を占める第1期作は、今回102万2200トン上方修正されたものの、同4.6%減の2451万2900トンとやや前年度を下回ると見込まれている。作付面積は同2.5%増と前年度を上回ったものの、播種時の降水量不足や不規則な降雨により播種が遅れ、生育状況に影響を及ぼし単収が前年度を下回った。主産地である南部地域のパラナ州では、病害虫の発生やラニーニャ現象による降水不足や日照不足により単収が前年を大きく下回ると見込まれている。また全体の7割強を占める第2期作は、今回わずかに下方修正されたが、同10.1%増の8260万8100トンと前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。大豆の収穫作業が遅れた影響で播種が遅れたものの、生産者の作付け意欲が強く作付面積が増加するとともに単収も前年度を上回るとしている。最大の生産地である中西部のマットグロッソ州では、大豆の収穫が遅れた影響で、播種が3月最終週までずれ込んだ。このため、約4割の地域で播種適期とされる2月末以降に播種が行われたものの、生産者の作付け意欲が強く作付面積は同7.5%増と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。

大豆生産量、前年度比8.6%増で過去最大となる見込み

 2020/21年度の大豆生産量は、作付面積の増加により前回より40万8700トン増と3カ月連続で上方修正され、前年度比8.6%増の1億3554万300トンとかなりの程度上回り、前年度の記録を更新し過去最大になると見込まれている
 2020/21年度は、9〜10月の降水量不足による播種の大幅な遅れに加え、日照不足により生育が遅れ、さらに収穫期の降雨により収穫が大幅に遅れた。一部の生産地域では、3月の最終週に好天に恵まれ収穫ペースの回復が見られる一方、マットグロッソ州や北部および北東部の一部では、種子の水分含量が高く品質が低下する問題が生じている。地域別にみると、最大の生産州である中西部のマットグロッソ州では、3月までに収穫がほぼ終了したが、収穫作業が遅れ約41%が3月にずれ込んだ。また、生育期初期の降水量不足や成熟期の多雨による大豆の品質低下により単収が減少し、生産量は前年度をわずかに下回ると見込まれている。一方、中西部に次ぐ生産地である南部では、天候の影響で単収が落ち込むパラナ州を除き生産量が前年度を大幅に上回ると見込まれている。特にリオグランデドスル州では、春の干ばつによる播種の遅れに加え、2〜3月も厳しい干ばつに見舞われ一部の地域で単収の減少が見られたものの、その他の地域では高水準の生産となり、同75.4%増と大幅な回復が見込まれている。なお、同州では3月に収穫が始まり、4月末に終了する予定である。
表
図1
図2
参考
【井田 俊二 令和3年4月19日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472