国際情報コーナー 農畜産物全般、畜産、野菜、砂糖、でん粉の海外情報、輸出促進対策などの記事、統計

ホーム > 国際情報コーナー > 海外情報 > 海外情報(野菜) > トマト小売価格が高騰(NZ)

トマト小売価格が高騰(NZ)

印刷ページ

最終更新日:2021年5月20日

 ニュージーランド(NZ)統計局は2021年5月13日、4月の食料価格が前月比で1.1%上昇したと公表したが、この要因の一つとしてトマトとキュウリの高騰を挙げている。

 NZの4月の小売価格(加重平均)の推移を見ると、トマトは、1キログラム当たり6.34NZドル(514円:1NZドル=81円)と対前月比113%増となった(図1)。また、きゅうりも同50%増となる1キログラム当たり12.41NZドル(1005円)となった。NZのトマトの小売価格は、冬場の収穫量の減少などから季節ごとの価格差が大きく、例年、気温が下がり始める3月から5月ごろを頭に上昇する傾向にあるが、今回のように前月比で2倍以上高騰するのは過去10年で初めてのことである。

 トマトの生産者団体であるTomatoes NZは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に起因した輸出停滞を背景に、同国の国内市場は供給過剰傾向にあったとし、またNZ統計局は、供給過剰により今年の1月から3月は特に価格が低下していたところ、生産者が作付けを調整したことが今回の価格高騰に影響していると分析している。なお、トマトの小売価格としては、2020年8月に1キログラム当たり13.65NZドル(1106円)と過去10年における最高額を記録しているが、NZ統計局は、同国産トマトの約半数が消費される小売店やカフェ等が、同年4月に実施されたCOVID-19に起因する都市閉鎖(ロックダウン)に伴い閉店したことで、今回と同様、トマト生産者が作付けを調整したことによるとしている。

 なお、NZは、北半球が冬場を迎える時期には輸入量全体の2割から3割を担うなど、日本にとって韓国に次ぐ主要な生鮮トマトの輸入先国である(図2)。

図1 NZにおけるトマトの小売価格の推移
図2 日本のトマト(生鮮)の国別輸入量の推移
【阿南 小有里 令和3年5月20日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9530