2020年の生産量は、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の影響
(注1)により序盤は前年を下回って推移したが徐々に持ち直し、前年比0.8%増の672万トンとわずかに増加した(表)。
消費量は、COVID−19の影響により外食需要が減少したものの、中国国内でのアフリカ豚熱による豚肉価格の上昇を背景とした代替需要などから同6.1%増の884万トンとかなり増加した。オンラインでの購入や調理済み牛肉製品需要の高まりなど、消費は多様化しているとされている。また、国産牛肉の価格は、需要の伸びに対して生産量が下回っていることや飼料価格高騰による生産コストの上昇などから年間を通して高値で推移した。
輸入量は、昨年に比べて伸び率は鈍化したものの引き続き大幅に増加し、同27.7%増の211万8300トンとなった。輸入先については、輸入量の4割程度をブラジルが占めているが、ロシアなど新たな輸入先も加わっている。また、米中経済貿易協定第1段階合意
(注2)により米国からの牛肉または牛肉輸入製品に課せられていた月齢制限(30カ月齢超のみ輸入可能)が撤廃されたことにより、米国からの輸入に関するハードルは低くなったことが報告されている。
(注1)
「特集:海外の食肉需給の動向について〜新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて〜中国牛肉産業の現状と課題」)を参照されたい。
(注2)
海外情報「米中経済貿易協定第1段階合意の進捗に関する中間報告(米国)」を参照されたい。