畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2021年 > 米国農務省による世界の大豆需給予測(2021年6月)

米国農務省による世界の大豆需給予測(2021年6月)

印刷ページ

2021/22年度世界の期末在庫量、前年度比5.2%増を予測

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2021年6月10日、「Oilseeds:World Markets and Trade」で2021/22年度の世界の大豆需給予測値を、また、米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)は同日、2021/22年度(9月〜翌8月)の世界の主要農作物需給予測値をそれぞれ更新した。
 これによると、2021/22年度の世界の大豆生産量は、前回から大きな修正はなく前年度比5.9%増の3億8552万トンと2年連続で増加し記録的な水準になると見込まれている(表)。最大の生産国であるブラジルは、輸出需要が堅調であることなど生産者による増益の期待感から前年度に続き作付面積が拡大し、生産量は過去最大となる同5.1%増の1億4400万トンと見込まれている。なお、収穫がほぼ終了した2020/21年度分については、単収が増加したことから前回より100万トン上方修正された。ブラジルに次ぐ生産量の米国は、同6.5%増の1億1988万トンと前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。また、アルゼンチンは、同10.6%増の5200万トンと前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。
 輸出量は、前回と変わらず同0.9%増の1億7290万トンと前年度をわずかに上回ると見込まれている。最大の輸出国であるブラジルは、生産量の増加を背景に同8.1%増の9300万トンと見込まれている。一方、米国は、前年度からの繰越在庫量が少ないことや国内需要が強いことから同9.0%減の5647万トンと前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。輸入量は、最大の輸入国である中国が、アフリカ豚熱からの豚飼養頭数の回復により同3.0%増の1億300万トンと2020/21年度に続き増加すると見込まれている。
 消費量(搾油仕向け)は、前回と変わらず同2.9%増の3億3169万トンと見込まれている。最大の消費国である中国は、アフリカ豚熱からの豚飼養頭数の回復により同4.2%増の1億トンとやや増加すると見込まれている。なお、米国は、2020/21年度分において消費量が41万トン下方修正された。
 期末在庫量は、前回より145万トン上方修正され、同5.2%増の9255万トンとなり、2015/16年度以来の低水準となった前年度よりやや回復すると見込まれている。ブラジルは、2020/21年度の生産量が増加したことから100万トン上方修正された。また、米国は、2020/21年度の消費量が減少したことから、41万トン下方修正された。

表
【井田 俊二 令和3年6月29日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 国際調査グループ (担当:井田 俊二)
Tel:03-3583-9472