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2020/21年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第10回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は7月8日、2020/21年度第10回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1、2)。この調査は、春播きの夏作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋播きの冬作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測値を毎月公表するものである。

トウモロコシ生産量、3カ月連続で下方修正され、前年度比9.0%減の見込み

 2020/21年度(第1〜第3期作)のトウモロコシ生産量は、第2、第3期作で減少し、前回より300万7500トン減と3カ月連続で下方修正(4月予測から1558万1000トン減少)され、前年度比9.0%減の9338万4600トンと前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。国内外からの強い需要と堅調な市場価格を背景に全体の作付面積は前年度比7.0%増とかなりの程度上回るものの、主産地での乾燥気候から単収が減少したため今回の下方修正につながった。さらに第2期作では、天候不順により作付けが遅れたため、霜害のリスクが高まっていることも懸念されている。
 生産量全体の約4分の1を占める第1期作は、6月に収穫が終了したが、今回わずかに上方修正され、同3.0%減の2490万6500トンと前年度をやや下回ると見込まれている。作付面積は同3.3%増とやや増加したものの、播種時の降水量不足や不規則な降雨による播種の遅れ、その後の不規則な天候が生育状況に悪影響を及ぼした結果、単収が同6.1%減とかなりの程度減少したことが要因とされる。
 生産量全体の約4分の3を占める第2期作は、6月から本格的な収穫作業となったが、前回より298万2400トン減と3カ月で下方修正され、同10.8%減の6697万500トンと見込まれている。主産地である中西部のマットグロッソドスル州や南部のパラナ州では、3月から5月にかけて極度の降水量不足となったことで作物に大きな被害が生じ生産に影響したとされている。このほか、霜による作物被害の発生や今後の拡大が懸念されている。
 また、生産量全体の2%程度を占める第3期作は、播種が終了したが、主産地の北東部では降水量不足により前回より21万2600トン減(前回比12.4%減)と2カ月連続で下方修正され、生産量は同18.4%減の150万4700トンと見込まれている。

大豆生産量、南部を中心に増加し前年度比8.9%増と過去最大を更新

 2020/21年度の大豆生産量は前回より5万700トン増とわずかに上方修正され、前年度比8.9%増の1億3591万1700トンと前年度の記録を更新し過去最大になると見込まれている。これは、米ドルに対するレアル安や国際価格の上昇を背景として作付面積が増加(同4.2%増)したことが要因とされる。また、降水量不足による播種の大幅な遅れや日照不足による生育の遅れ、さらに降雨による大幅な収穫の遅れがあったものの、単収(同4.5%増)も前年度の実績を上回ったとされている。
 2020/21年度の生産状況を見ると、地域別に大きな違いが見られる。最大の生産地である中西部では、作付面積が増加したものの天候の影響で単収が前年度を下回ったことから、生産量は同1.0%増とわずかな増加にとどまった。一方、これに次ぐ南部では、パラナ州を除き、2019/20年度の厳しい干ばつから回復したリオグランデドスル州のほかサンタカタリナ州も単収が前年度以上となったことから、生産量は同21.9%増(773万7000トン増)と前年度を上回り、ブラジル全体の生産量の増加に大きく寄与している。
表
図1
図2
参考
【井田 俊二 令和3年7月14日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472