ニュージーランド統計局(Stats NZ)は7月13日、2021年6月の食品価格は、野菜価格の上昇を要因に前月比1.4%上昇したと公表した。
6月の野菜の小売価格(加重平均)は、日本にも輸出されているパプリカやトマトの高騰のほか、キュウリ、レタス、ブロッコリーなどの価格上昇を受け、前月比15%高とかなり大きく上昇した。中でもパプリカの小売価格は同27%高と大幅に上昇し、1キログラム当たり24.16NZドル(1909円:1NZドル=79円)と過去最高水準になった(図1)。また、トマトとキュウリはそれぞれ同11.19NZドル(884円)、16.79NZドル(1326円)となり、いずれも前月比52%高と大幅に上昇した。
トマトの小売価格の動きを見ると、2021年3月に1キログラム当たり2.98NZドル(235円)であったものが、4月には同6.34NZドル(501円)とすでに上昇基調にあった(図2)。これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による輸出停滞を背景に国内市場が供給過剰となったことを受け、生産者が作付調整を行ったことで供給量が減少したことによるものと見られている(注)。
この度の野菜価格の高騰についてStats NZでは、一般的に多くの野菜は、冬に向かう季節の変わり目に価格が上昇する傾向にあるが、この時期としては例年よりも上昇幅が大きく、多くの野菜で価格上昇が見受けられるとしている。
(注)詳細は、海外情報「トマト小売価格が高騰(NZ)(
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002947.html)」を参照されたい。
【廣田 李花子 令和3年7月20日発】