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2021年加工用トマトの生産、消費量は引き続き増加の見込み(EU)

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最終更新日:2021年7月30日

 欧州委員会が2021年7月5日、農畜産物の短期的需給見通し(注1)を公表した。今回、このうち日本のトマト加工品の主要輸入先国であるEUのトマトの需給見通しの概要について紹介する。

(注1)欧州委員会は、農畜産物の短期的需給見通しを年3回(晩冬、初夏、初秋)、中期的需給見通しを年1回(12月)公表している。

<加工用トマト>

 2021年の加工用トマト生産量は、前年比9%増の1088万トンと見込まれている。加工用トマト製品に対する需要が引き続き堅調なこと、また、それに伴い前年末の在庫量が低水準であったことから、主要生産国であるイタリア、スペイン、ポルトガルでの増産が見込まれている。
 加工用トマトの消費量は、トマトペーストやホールトマトに対する需要が強いことから、1人当たり年間消費量は、前年比4キログラム増の21.2キログラムに達すると見込まれている。
 加工用トマトを原料とした加工品の輸出量は、前年度比18%減の387万トンと見込まれている。これら、トマトピューレやペースト等のトマト加工品(HSコード2002)の主要輸出先は、英国、日本、米国などである。一方、堅調な需要を反映し、輸入量は前年比5%増と見込まれている。トマト加工品の主要輸入先は中国、米国、ウクライナなどである。
表1 加工用トマトの需給

<生鮮トマト>

 生鮮トマトの生産量は、ここ数年減少傾向で推移しており、2021年は前年比2%減と見込まれている。主要生産国であるスペインで1割の生産減が見込まれているが、生産者はより収益性の高い品目に生産を切り替えていることが原因とされる。一方、消費量は前年並みと見込まれており、結果として輸入量の増加につながっている。
 生鮮トマトの主要輸出先は英国、ベラルーシ、スイス、ノルウェーであり、主要輸入先はモロッコ、トルコなどである。特に輸入量の7割前後を占めるモロッコについては、2015年以降、一貫して前年比増で推移しており、EUの農業関係団体はEUモロッコ連合協定の再考を求めている(注2)

(注2)海外情報「EU農業関係団体、EUモロッコ連合協定の再考を呼び掛け」(令和3年7月12日発)を参照されたい。
表2 生鮮トマトの需給
【調査情報部 令和3年7月30日発
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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