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ドミニカ共和国でアフリカ豚熱が発生(中米)

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 米国農務省(USDA)は2021年7月28日、中米のドミニカ共和国でアフリカ豚熱(ASF)が発生したことを発表した。
 USDAによると、ASFが米国に侵入するのを防ぐために講じている安全策の一つとして実施している米国とドミニカ共和国による既存の共同監視プログラムを通じて、ドミニカ共和国の豚から採取したサンプルからアフリカ豚熱が確認された。ドミニカ共和国産の豚肉および豚肉製品は、以前から豚熱(CSF)の規制により米国への輸出は禁止されている。米国税関・国境警備局(CBP)は、同国からの入国者がこれら製品を持ち込まないよう検査を強化するとともに、同国発の航空機由来の残飯が適切に処理されていることを確認するとしている。
 USDAは、既にドミニカ共和国に対してアフリカ豚熱対策の継続的な支援を表明しており、追加の対応などについて協議することとしている。また、ドミニカ共和国と国境を接するハイチに対しても同様の支援を行う予定である。
 
 全米豚肉生産者協議会(NPPC)は今回の発表を受け、次のようにコメントしている。「3年前に中国で発生したアフリカ豚熱が世界各地に広がり始めて以降、米国はバイオセキュリティを大幅に強化してきた。USDAとCBPによる国境検査の強化や、アフリカ豚熱の迅速な発見と根絶を目的とした積極的な共同監視プログラムの実施などに感謝している。これらの対策は、アメリカ大陸で約40年ぶりにアフリカ豚熱が検出された今、特に重要である。」
 また、NPPCは改めて、米国の豚肉生産者に対して以下の対策を講じるよう求めている。
・訪問者を農場に迎える際は、USDAの防疫期間(ダウンタイム)に関する勧告に従うこと。
・バイオセキュリティに関する実施要項を見直し、適切な防疫措置が継続的に行われているか確認すること。
・外来動物疾病対策のチェックリストを記入し、豚肉供給安定化プログラムに登録すること。
・飼料メーカーに飼料の原材料の原産地を確認すること。
【河村 侑紀 令和3年7月30日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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