豪州の主要サトウキビ生産地であるクイーンズランド(QLD)州のサトウキビ生産者団体CANE-GROWERSは8月16日、同国の新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)やサトウキビ生産に関連する最新情報をホームページに公開した。
これによると、国内の複数のサトウキビ生産地ではCOVID‐19の感染拡大を受けて人々の往来が制限されている。そのうちQLD州北部のケアンズやヤラバーでは、8月8日から3日間都市封鎖が実施され、解除後も外出時のマスク着用義務や、自宅での集会や結婚式などでの人数制限が継続された(図)。また、州都ブリスベンなどの同州東南部でも、規制は徐々に緩和されたものの、依然としてマスクの着用義務や人数制限などは継続されている(8月23日時点)。さらに同州に次ぐ主産地であるニューサウスウェールズ(NSW)州では、COVID‐19の感染拡大が止まらず、州都シドニーなどでは6月26日から始まった都市封鎖が何度も延長される事態となり、9月以降も措置が継続される予定となっている。
このような中、CANEGROWERSは自らのホームページを通じ、農業が必要不可欠な仕事(essential service)に指定されていることから、コロナ禍においても関連業務であるサトウキビの収穫や製糖工場への運搬、農作業の委託なども行うことができるとしつつも、作業中は常にマスクの着用が必要であるとしてQLD州の生産者に対して注意喚起を行っている。また、COVID‐19の感染リスク最小化のため、農機洗浄や作業場での衛生管理、ワクチン接種などに関する情報に加え、同団体が2020年に作成したCOVID‐19対策のガイドラインを改めて紹介している(参考)。さらに、現在または今後、労働力の確保が必要となる生産者へ向けて、連邦政府が運営する農業関係の求人サイト(Harvest Trail)などの積極的な利用や、地域のCANEGROWERS事務局への相談を呼びかけている。
CANEGROWERSはこの非常に不安定な状況下において、今後もサトウキビ生産に関わる労働者を支援し続けるとしている。
(参考)CANEGROWERSのCOVID‐19対策ガイドライン
317139_canegrowers-sugarcane-farm-covid-19-guide.pdf
同ガイドラインでは、以下の取り組みが感染防止策として挙げられている。
・従業員やコントラクターの健康管理の徹底
・従業員間の距離を1.5メートル以上確保し、農場での作業人数を制限
・握手などのスキンシップの回避
・消毒剤や石鹸などの設置と手指の洗浄・消毒
・ドアノブやテーブルなど、頻繁に人が触れる部分の消毒
・作業後の農機や道具の洗浄(最低でも60%のアルコールで消毒) など