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米国農務省による世界のトウモロコシ需給予測(2021年8月)

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2021/22年度の世界のトウモロコシ生産量、前年度からかなりの程度増加する見込み

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2021年8月12日、2021/22年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
 これによると、世界のトウモロコシ生産量は前回から868万トン下方修正され、11億8612万トン(前年度比6.3%増、前月比0.7%減)と予測された。国別に見るとブラジル(前年度比35.6%増)およびウクライナ(同28.7%増)では記録的な生産増が予測され、米国(同4.0%増)、アルゼンチン(同5.2%増)および中国(同2.8%増)でも過去最高水準に近い生産が見込まれている。  
 輸出量は、世界全体で1億9785万トン(同10.8%増、同0.5%減)と前回からわずかに下方修正された。国別に見るとブラジル(前年度比87.0%増)とウクライナ(同36.2%増)で大幅な増加が見込まれるものの、米国(同13.5%減)はこれら輸出国との競合により減少が見込まれている。  
 輸入量は、世界全体で1億8461万トン(同0.2%増、同1.6%減)と前回からわずかに下方修正された。国別に見ると、主要輸入国である中国は2600万トンと前年度から変わらないものの、引き続き高水準での推移が見込まれている。  
 消費量は123万トン下方修正されたものの、11億8224万トン(同3.6%増、同0.1%減)と前年度から増加が見込まれている。消費大国であるブラジル(前年度比7.4%増)および中国(同1.7%増)などで増加するものの、米国ではほぼ横ばい(同0.1%増)と見込まれている。
 期末在庫は、2021/22年度の生産量の下方修正などに伴い、前月から2.2%減の2億8463万トン(同1.4%増)と見込まれている。
表1 主要国のトウモロコシの需給見通し(2021年8月12日米国農務省公表)

2021/22年度の米国トウモロコシ期末在庫率、8%台の見込み

 USDA/WAOBは2021年8月12日、2021/22年度(9月〜翌8月)の米国の主要農作物需給予測値を更新した。このうち、同国のトウモロコシ需給見通しは次の通りである(表2)。
 生産量は作付面積や単収の増加を受けて147億5000万ブッシェル(3億7466万トン(注)、前年度比4.0%増)と予測されており、前月からわずかに下方修正されたものの、これまでの統計で最も生産量の多かった2016/17年度の151億4800万ブッシェル(3億8477万トン)に近い水準となっている。  
 消費量は飼料向けなどの需要がわずかに下方修正され、全体では122億5000万ブッシェル(3億1116万トン、同0.1%増)と予測された。  
 輸出量は生産量の下方修正に伴い前月から1億ブッシェル引き下げられ、24億ブッシェル(6096万トン、同13.5%減)と記録的な輸出量となった前年度からかなり大きく減少すると予測された。  
 期末在庫は、総供給量の下方修正を受けて前月から1億9000万ブッシェル引き下げられ、12億4200万ブッシェル(3155万トン、同11.2%増)と予測された。その結果、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は前月から1.1ポイント減の8.5%(同1.1ポイント増)となった。
 また、生産者平均販売価格はわずかに上方修正され、1ブッシェル当たり5.75米ドル(633円。1キログラム当たり24.9円:1米ドル=110円)と予測された。
 
(注)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
表2 米国のトウモロコシの需給見通し(2021年8月12日米国農務省公表)
【塩原 百合子 令和3年9月1日発】
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