EU最大の農業生産者団体である欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(Copa-Cogeca)は8月9日付のプレスリリースで、「農業分野の関係者は、欧州委員会に対して以前からF2F実施による影響調査を求めていたにもかかわらず、調査を実施するかどうかが政治問題となっていた」と欧州委員会の対応を批判した。また、「夏の休暇時期に報告書が発表され、その内容は注意深く言葉を選び、どのようなシナリオが選択されようとも、EU域内にかつてないほどの生産量や生産者収入の減少をもたらしている」と内容を強く非難した。さらに、「温室効果ガスの削減実績のうち、半分以上が海外に生産移転することによって帳消しにされ、域外産農畜産物に域内と同様の条件を課すことが容易でないことを鑑みると、生産者にとって耐えがたい負担となる」ことを指摘した。
Copa-Cogecaは、さらなる分析が必要であるとする報告書の主張には同意するとしつつも、内容を精査して、再度、声明を発出するとしている。
(注1)欧州委員会の部局の1つで、欧州委員会の政策に関する研究を実施し、助言を行う。
(注2) 2021年6月25日の議会、理事会、委員会間の合意により、一部の内容に変更が生じていることに留意が必要。詳細は、
海外情報 「次期共通農業政策(CAP)改革案について暫定合意(EU)」を参照
(注3)例えば、食品残渣削減、食生活の変化、2つの戦略の相乗効果による影響などがモデルに含まれていない