2021年6月の肉用牛飼養頭数、前年比2.5%増(NZ)
ニュージーランドの牛肉および羊肉生産者で組織するビーフ・アンド・ラム・ニュージーランド(BLNZ)は8月16日、2021年6月末時点の肉用牛の飼養頭数が2年ぶりの増加となる398万頭(前年比2.5%増)となったことを公表した(図1)。これは、BLNZが独自に、500戸以上の肉用牛経営に対して実施した調査結果を基に、全体の飼養頭数を推計したものである。
内訳を見ると、繁殖雌牛は105万7000頭(同0.9%減)とわずかに、子牛は116万5000頭(同6.2%減)とかなりの程度、いずれも減少した。一方で、その他の肉用牛(注:去勢肥育牛が主体)は、昨シーズンの子牛頭数の増加を背景に、飼養頭数の約7割を有する北島での増加を受け、175万8000頭(同11.7%増)とかなり大きく増加した(表1)。
北島では、全ての地域でその他の肉用牛に該当する酪農由来の2歳以上の肉用牛(注:乳用種又は肉専用種と乳用種の交雑を去勢した肥育牛など)の保留が増加しているとされている。これは、乾燥などの気候条件により、秋(3月〜5月)に牛が仕上げられず飼養期間が長期化したケースがあったことなどが要因として挙げられている(図2)。また、南島の減少要因として、昨年に続く未経産牛の販売価格の低下から、繁殖農家の収益性の悪化などにより、子牛の頭数も減少したことが挙げられている。
【廣田 李花子 令和3年9月16日発】
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