牛関連産業(牛肉、内臓、皮および生体牛)の輸出額は、輸出量・輸出単価ともに減少したため、2016/17年度以来の減少となる110億豪ドル(9020億円、前年度比23.4%減)となった。牛肉輸出量は、過去10年の平均を13.8%下回る98万6697トンであったが、この要因としてRURAL BANKは、天候に恵まれ牛群再構築が図られたことで、豪州産牛肉の生産量が減少したことを挙げている。
輸出先別に見ると、日本向けが中国向けを抜いて第1位となったが、輸出額は22億100万豪ドル(1805億円、同19.5%減)と大きく減少しており、これは、日本におけるCOVID−19による外食産業の需要減と米国からの輸入増加によるとされている(表2)。また、中国向けは、輸出額が20億7400万豪ドル、(1701億円、同40.3%減)と上位輸出先の中で減少幅が最大となった。その要因としてRURAL BANKは、中国政府が豪州の一部食肉処理施設からの輸入を停止した
(注1)ことや、米中貿易協定第1段階合意を受けて米国からの輸入が増加した
(注2)ことを挙げている。
(注1)詳細は海外情報「中国が豪州の4つの牛肉処理場からの牛肉輸入停止を通告」(
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002706.html)を参照されたい。なお、2020年5月に輸入停止となった4カ所に加え、8月および12月にクイーンズランド州の食肉処理場からの輸入が停止されたことから、現在では6カ所としている。
(注2)詳細は海外情報「米中経済貿易協定の第1段階の合意と農業団体の声明(米国)」(
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_002600.html)を参照されたい。