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2021/22年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第1回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は10月7日、2021/22年度第1回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。これによると、2021/22年度穀物合計の生産量は、作付面積、単収がともに増加するため、2億8861万100トン(前年度比14.2%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。

トウモロコシ生産量は前年度の落ち込みから大幅に回復するとして、過去最大の見込み

 2021/22トウモロコシ生産量は、前年度比33.7%増の1億1631万3000トンと天候の影響で落ち込んだ前年度を大幅に上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった2019/20年度の生産量を更新する数値が見込まれている。
 全生産量の4分の1程度を占める第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比14.5%増の2832万7400トンと前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。これは、作付面積が同1.6%増とわずかに増加するとともに、前年度、不規則な天候の影響で落ち込んだ単収が同12.7%増と回復が見込まれることによる。なお、第1期作トウモロコシの播種は、8月中旬に南部の州の一部で始まり、9月には南部および南東部の州の一部地域でも行われている。
 主要生産州別に見ると、最大の生産地である南部のリオグランデドスル州では、同30.5%増の572万8100トンと大幅な増加が見込まれている。同州では、播種前後の重要な時期に当たる8月末に降雨に恵まれ、9月までに作付面積の55%で播種が行われた。また、9月の降水量は平年を上回り、播種後も良好な気候となっている。また、これに次ぐ生産地である南東部のミナスジェライス州では、同3.7%増の524万3100トンとやや増加が見込まれている。同州では、ほとんど降雨がなく乾燥した天候となっているため、規則的な降雨が予想される10月後半から播種が開始される予定である。
 また、全体の4分の3程度を占める第2期作の生産量は、前年度比42.2%増の8631万8700トンと大幅な増加が見込まれている。前年度は、降水量不足や霜害により単収は大幅に落ち込んだが、今年度は回復するとしている。このほか、全体の1%程度を占める第3期作は、同8.6%増166万7000トンとされており、2020/21年度は第1〜3期作のいずれも前年度を上回ると見込まれている。

大豆生産量は3年連続の増加、前年度の記録を更新し過去最大の見込み

 2021/22年度の大豆生産量は、前年度比2.5%増の1億4075万2200トンと3年連続での増加が見込まれ、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった2020/21年度の記録を更新すると見込まれている。作付面積は前年度に続き好調な市場価格を背景に同2.5%増とする一方、単収は前年度並みとしている。なお、播種は、南部のパラナ州やサンタカタリーナ州の一部などで9月中旬から開始している。
 主要生産州別に見ると、最大の生産地である中西部のマットグロッソ州では、同3.7%増の3787万8400トンと見込まれている。同州では10月から播種が開始される予定であるが、好調な市場価格を背景として、近年、これまで大豆の作付けを行っていなかった自治体の参入が増加しており、作付面積は同3.3%増となっている。また、南部のパラナ州では、同4.0%増の2068万4300トンと前年度よりやや増加が見込まれている。同州で播種は、9月中旬から南部で始まり、作付面積全体の9%が完了したものの、それ以外の地域では乾燥気候により播種ができない状況にある。
表
図
参考1
参考2
【井田 俊二 令和3年10月19日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472