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オランダ、新型コロナの影響で食肉消費量が前年から減少(EU)

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 オランダのワーヘニンゲン大学は10月28日、2020年の食肉消費量に関する調査結果を公表した。これによると、同年のオランダの1人当たりの食肉消費量(枝肉重量ベース)は75.9キログラムと前年から1.9キログラム減少し、調査を開始した05年以降で最も低い水準となった。また、前年からの減少幅は最大となった。品目別に見ると、豚肉が36.2キログラム(前年比0.5キログラム減)、鶏肉が22.1キログラム(同0.8キログラム減)、牛肉が15.1キログラム(同0.4キログラム減)、その他の肉などが2.5キログラム(同0.1キログラム減)となった。なお、10年から16年にかけて1人当たりの食肉消費量は減少していたが、今回の減少幅(1.9キログラム)は、この6年間の減少幅にほぼ匹敵するものとなった。

 同調査では、20年は新型コロナウイルス感染症感染拡大防止に伴う各種規制によりレストランの閉鎖や講演会、イベントなどの中止もあったため、例年と異なり家庭外での食肉消費が少なかったとしている。その代わり、家庭内での食肉消費が増加し、スーパーマーケットや食肉小売店での食肉販売量は55万5700トン(前年比2万4600トン増)と大きく増加した。食肉販売量の増加分のうち、生鮮肉が2万3300トンと大半を占めているが、食肉小売店などでの販売量の増加は、20年の食肉消費量の減少を補うものではなかった。

 この食肉消費量に関する数値は、ワーヘニンゲン大学がオランダの動物福祉団体ワッカーディア(Wakker Dier)に依頼されて算出したものである。この結果を受けて、同団体は、動物福祉や気候変動を持ち出すまでもなくオランダ人の食肉消費量は依然としてオランダ栄養センターが推奨する消費量を上回っており、健康のために食肉の消費を減らす必要があるとし、植物性食肉代替食品の販売が増えていることも歓迎するコメントを発表している。
 一方、ワーヘニンゲン大学は、植物性食肉代替食品の販売が増加傾向で推移しているものの、同食品の市場規模は食肉小売部門の販売金額の4%程度であり、今回の食肉消費量の減少と同食品の販売増加はほとんど関係ないとし、むしろ、コロナ禍が収まった後、この減少分が同食品に向かうよりも食肉の消費が増えることになるであろうとしている。
【小林 智也 令和3年11月9日発】
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