ドイツ連邦食料・農業省は11月15日、ドイツ北東端にあるメクレンブルク=フォアポンメルン州(MV州)で家畜として飼養されている豚にアフリカ豚熱が発生したと発表した。
家畜豚への感染事例としては、7月15日及び17日にMV州南部と接するブランデンブルグ州で発生が確認された3例に続くものである(野生イノシシへの感染はこれら州の他に、ザクセン州でも確認されている)(注1)。
なお、MV州ではこれまでに、野生イノシシへのアフリカ豚熱感染例は報告されていない。
(注1)
海外情報「家畜豚にアフリカ豚熱発生(ドイツ)」
バックハウスMV州農業大臣が記者会見で発表した内容によれば、1家族により経営されている3つの肥育豚農場の1つで発生し、飼育頭数は4038頭であった。
なお、日本においては、令和2年9月11日付けでドイツでの野生イノシシにおけるアフリカ豚熱発生を受け、同国から日本に輸出される生きた豚、豚肉等の輸入を停止している(注2)。
(注2)
海外情報「野生イノシシで初のASF発生(ドイツ)」
診断を行ったフリードリッヒ・レフラー動物衛生連邦研究所 (FLI)は、発生農場で飼育されていた豚はすべて淘汰され、周辺には制限地域が設定されたとし、感染の原因については調査中であるとしている。
ドイツ養豚生産者協会(ISN)は11月16日、「既に第三国の多くでドイツ産豚肉の輸入停止措置が講じられているため、今回のアフリカ豚熱の発生を受けて輸出状況が根本的に変わることはない」「今回の発生を受けて、制限区域の拡大が予定されていることから、制限区域内の家畜の食肉加工処理の選択肢を広げることが必要」「さらなる発生を防ぐために養豚生産者はバイオセキュリティー対策を徹底する必要がある」とホームページを通じ、呼び掛けている。