2021/22年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第2回)を公表(ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は11月11日、2021/22年度第2回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
トウモロコシ生産量は第2期作を中心に大幅回復の見込み
2021/22年度(第1〜第3期作)のトウモロコシ生産量は、前回より39万8500トン上方修正され、前年度比34.2%増の1億1671万1500トンと、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった2019/20年度の記録を更新すると見込まれている。
全生産量の4分の1程度を占める第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比15.6%増の2860万600トンと前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。これは、好調な市場価格を背景に作付面積が増加(同2.5%増)するとともに、前年度、不規則な天候の影響で落ち込んだ単収が回復(同12.7%増)するためであり、特に第1期作トウモロコシの最大の生産地である南部のリオグランデドスル州では、同34.0%増の588万2500トンと大幅な増加が見込まれている。
今年度の播種について、ブラジル全土では、前年度ほどの悪条件ではないものの、地域によって不安定な天候による影響が見られる。10月末時点で作付面積の44%で播種が行われており、前年同期と比べてやや遅れている。しかし、リオグランデドスル州では土壌中の水分が十分で播種や生育に良好な状況であり、10月末時点で作付面積の64%で播種が行われている。
また、全体の4分の3程度を占める第2期作の生産量は、前年度比42.1%増の8625万5800トン、同じく全体の1%程度を占める第3期作は、同20.8%増185万4900トンと単収の回復による大幅な増加が見込まれている。
大豆の播種は天候に恵まれ前年度を上回るペースで進行
2021/22年度の大豆生産量は、前回より125万7700トン上方修正され、前年度比3.4%増の1億4200万9900トンと前年度をやや上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった前年度の記録を更新すると見込まれている。これは、好調な市場価格を背景に作付面積が増加(同3.5%増)するとともに、南部地域の一部を除き天候に恵まれたためである。10月末時点で作付面積の53%で播種が行われており、不規則な天候により作業が遅れた前年同期を17ポイント上回っている。なお、生産量の増加が見込まれる一方で、生産者にとっては、今年度、肥料、農薬、種子などの資材価格が大幅に上昇しており、収益面での懸念材料になっていると報告されている。
最大の生産地である中西部のマットグロッソ州では、前年度は降雨の遅れにより作業が遅れたものの、今年度は十分な降水量と播種に適した天候に恵まれたことから、10月末時点で作付面積の84%で播種が行われており、前年同期を39ポイント上回っている。
【井田 俊二 令和3年11月25日発】
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