ドイツ養豚生産者協会(ISN)は9月28日、約1万の協会の会員(注1)を対象に実施した記名式アンケートの調査結果をホームページに公表した。これによると、回答した約1000戸(注2)の半数以上が10年以内に廃業を考えていることなどが示される結果となった(図1、2)。ドイツでは、2020年9月にアフリカ豚熱の発生が確認されて以来、主要輸出先であった中国などアジア諸国を中心に輸入停止措置が続き、供給先の喪失から豚肉生産量を減少せざるを得ない(注3)など苦境に置かれている。
(注1)行政やその他養豚関連業界の会員を含むため、養豚生産者の会員数はそれを下回る。
(注2)ISNによると、国内全養豚生産者数の約5%、豚飼育頭数の約10%を占めている。
(注3)畜産の情報
2021年11月号海外の需給動向【豚肉/EU】「2021年上半期の豚肉生産量は前年同期比4.2%増」
今回の調査結果についてドイツ養豚生産者協会は、アフリカ豚熱への対応に政府や生産者が苦慮していることに加え、昨年、ストール使用の原則禁止等の養豚飼育に対する規制が強化されたことが、特に小規模養豚生産者や繁殖経営の営農意欲の減退に大きく影響したと主張している。