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2021年の全国穀物生産統計を発表(中国)

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 中国国家統計局は12月6日、2021年の全国穀物生産統計を発表した。これによると、2021年の年間穀物生産量は6億8285万トン(前年比2.0%増)となり、過去最高を記録した。近年は、7年連続で6億5000万トン以上の生産量を記録しており、安定的な食糧供給に寄与しているとされている。
 

作付面積は前年比0.7%増

 2021年は中国政府による耕作地保護制度の下、耕作放棄地の拡大を防ぐとともに、既存の耕作放棄地の再利用が進められたことで、全体の穀物作付面積は17億6400万ムー(1億1760万ヘクタール(注)、同0.7%増)と2年連続で増加した。品目別に見ると、前年に比べ、トウモロコシおよび小麦の作付面積は増加する一方、米および大豆の作付面積は減少した。具体的には、トウモロコシは6億5000万ムー(4333万ヘクタール、同5.0%増)と前年をやや上回った。小麦は3億5400万ムー(2360万ヘクタール、同0.8%増)となり、4年連続の減少に歯止めがかかった。一方、大豆は1億2600万ムー(840万ヘクタール、同14.8%減)とかなり大きく減少した。これは、トウモロコシに比べて大豆の収益性が劣ることから、農家の作付け意欲が低下したためとされている。

平均単収は前年比1.2%増

 2021年は主要穀物生産地である河南省などでの夏場の豪雨による洪水の発生や、北西部の陝西省、甘粛省、寧夏省などでの局地的な干ばつの発生、また、秋の収穫期には中国北部や黄海地域での長雨など、国内の各生産地で天候不順が相次いだ。しかし、主要生産地ではおおむね天候に恵まれたことから、作柄は良好となった。サンプル調査によると、2021年の全国の穀物平均単収は1ムー当たり387キログラム(1ヘクタール当たり5805キログラム、前年比1.2%増)となった。品目別に見ると、トウモロコシは同419キログラム(同6285キログラム、同0.4%減)と前年をわずかに下回った。これは、河南省をはじめ黄淮(こうわい)(かい)地域での洪水が影響したとされている。小麦は同387キログラム(同5805キログラム、同1.2%増)と前年をわずかに上回った。大豆は同130キログラム(同1950キログラム、同1.8%減)と前年をわずかに下回った。

生産量は前年比2.0%増

 2021年の穀物生産量は6億8285万トン(同2.0%増)と作付面積や単収の増加率を上回る結果となった。国内31省(自治区、直轄市を含む)のうち、27省で生産量が増加している。中でも、東北3省(黒竜江省、吉林省および遼寧省)および内モンゴル自治区での生産量の増加が大きく、全国の穀物生産量増加分の70.3%はこれらの地域の生産によるものである。一方、洪水の被害が大きかった河南省は、前年に比べ560万トンの減産となった。
品目別に見ると、トウモロコシは2億7255万トン(同4.6%増)、小麦は1億3695万トン(同2.0%増)と増加する一方、大豆は作付面積の減少を受けて1640万トン(同16.4%減)と大幅に減少した。
注:1ヘクタール=15ムーで換算
表 2021年穀物生産動向
【海老沼 一出 令和3年12月16日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4389