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2021年畜産物消費実態調査結果を公表(韓国)

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 韓国農村振興庁は12月6日、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の影響下における同国の食肉消費の変化などをまとめた「2021年畜産物消費実態調査」の結果を公表した。
 本調査は、コロナ禍での畜産物の消費環境の変化や食肉需要を分析し、マーケティングの効率化、畜産物に関する研究、畜産農家の経営的支援等に活用することを目的としている。調査は国内在住の20〜69歳の1500人を対象に、オンラインによるアンケート方式で実施された。以下に本調査の結果概要を紹介する。

食肉摂取頻度

 主要な食肉のうち、1週間に1回以上食べる消費者が最も多いのは豚肉(69.5%)で、次いで、鶏肉(55.1%)、牛肉(44.9%)と続く。

食肉消費量の変化

 2021年の牛肉消費については、国産牛肉、輸入牛肉ともに「前年よりも増加した」と回答した割合が「前年よりも減少した」と回答した割合を上回った(図1、2)。また、「輸入牛肉の消費が増加した」と回答した割合は「国産牛肉の消費が増加した」と回答した割合を3.4%上回った。輸入牛肉消費が増加した理由としては「価格」と回答した人の割合が最も多く、次いで、「おいしさ」「品質」「原産地」などが挙げられている。
 
図1、2
 豚肉消費については、国産豚肉で「前年よりも増加した」と回答した割合が「前年よりも減少した」と回答した割合を上回った。一方、輸入豚肉では、「前年よりも増加した」と回答した割合が「前年よりも減少した」と回答した割合を下回った(図3、4)。
図3,4

食肉消費形態の変化

 食肉の消費形態は、いずれも「家庭内消費」が最も多く、「外食」は20%以下、調理材料が一緒に入ったミールキットや食事宅配サービス(いわゆる、出前など調理から宅配まで自社で行うもの)は10%台前半となった(図5、6、7)。また、オンラインサイトなどから注文するフードデリバリーは、牛肉、豚肉ともに10%程度であったが、持ち帰り用途のメニューが多い鶏肉は30%と他の食肉より多い割合を示した。
 「家庭内消費」の割合が最も高いのは豚肉で、次いで牛肉、鶏肉となった。牛肉、豚肉、鶏肉いずれも、前年に比べて「家庭内調理」が増加し、「外食」が減少する傾向が見られるが、この傾向は主に牛肉、豚肉で顕著となった(表1、2、3)。
 
図5
表1
図6
表2
図7
表3

食肉購入場所および方法の変化

  COVID−19の影響による食肉購入場所および方法の変化が「ある」と回答したのは18.7%で、オンラインでの購入が「前年に比べて増加した」と回答した人の割合は「前年に比べて減少した」を大きく上回った。一方、精肉店や生産者直売所、デパートなどでの購入は下回った(図8)。
図8
  本調査では、COVID−19の影響下で、国内産畜産物の消費にも大きな影響が及んだことが明らかになったとされている。また、今後の課題として、相対的に少なかった食肉のオンライン購入が大きく増加したことで、オンライン購入に適した商品の開発や流通方法の改善が必要であるとされている。
【海老沼 一出 令和3年12月28日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-4389