欧州委員会が2031/32年度までの砂糖の需給見通しを発表(EU)
最終更新日:2022年1月11日
欧州委員会は12月9日、砂糖をはじめとする農畜産物の2031年までの需給見通しを発表した。
これによると、砂糖の原料となるてん菜の作付面積は、31/32年度(10月〜翌年9月)には150万ヘクタールを下回ると予測されている(15/16〜19/20年度の5カ年平均作付面積は151万ヘクタール)。また、単収については、00/01〜10/11年度にかけて1ヘクタール当たり平均1.7トンの増加となったが、11/12〜20/21年度は同0.2トンの増加にとどまっており、今後も鈍化の傾向が続くと予測されている。この要因として欧州委員会は、ネオニコチノイド系をはじめとした農薬の使用規制を挙げている。
この結果、31/32年度のてん菜生産量は、15/16〜19/20年度の5カ年平均比で5.4%減の1億620万トンと予測されている(表1)。また、その仕向け先は、89.4%が製糖向けとして9490万トン(同6.6%減)、10.6%がエタノール向けとして1130万トン(同5.3%増)となると見込まれている。
砂糖の生産量は、てん菜糖度の上昇により増加し、31/32年度には1600万トン(同3.4%増)と予測されている。また、輸入量は140万トン(同25.2%減)、輸出量は170万トン(同18.7%減)とされ、近年、健康志向から減少傾向にある砂糖の消費量については、1590万トン(同4.6%減)とされている。
異性化糖については、31/32年度の生産量は80万トン(同37.4%増)となって甘味料需要に占める割合は4.7%(同38.1%増)となると予測されている(表2)。
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