イタリアの動物疾病検査機関(IZSPLV)は1月8日、同国北西部のピエモンテ州アレッサンドリア県で発見された野生イノシシの死体からアフリカ豚熱ウイルスが確認されたと発表した。
IZSPLVによると、この他にもアフリカ豚熱の疑いのある症例が2件確認されており(1件は同州同県、もう1件は隣接するリグーリア州ジェノバ県)、現在検査が進められている(図)。
イタリアでは、サルジニア島で現在に至るまでアフリカ豚熱の発生が継続して確認されている。イタリア保健省によると、今回確認されたウイルスはサルジニア島で確認されているウイルスとは遺伝子的に異なっており、近年欧州で広がっているアフリカ豚熱のウイルスに類似している。
ピエモンテ州政府は、野生動物保護に関する法律を改正し、担当職員を拡充させなければ野生イノシシへの感染拡大を防ぐことは困難になると警告している。
イタリアの農業生産者連合(Coldiretti)は、アフリカ豚熱発生を防ぐための政府当局の努力が不十分であったと非難するとともに、イタリアで230万頭以上いると推測される野生イノシシの数を減らすため、早急な活動を行うよう求めている。
同疾病の発生を受け、日本はイタリアからの豚肉等の一時輸入停止措置を講じた。財務省によると、2020年のイタリアからの豚肉の輸入量は7088トン、豚肉加工品は3144トンであった。