NZからの一部乳製品輸入、2022年から無制限に無税に(中国)
中国海関総署は2021年12月31日、ニュージーランド(NZ)との自由貿易協定(FTA)に基づき、22年以降、以下のバスケット1、3および4の乳製品は、同協定に基づく特別セーフガード措置の適用外となり、数量無制限に無税で輸入できるようになるとアナウンスした。バスケット1は飲用乳およびクリーム、同3はバターおよびバターオイル、同4はチーズから構成される(注1)。
(注1)それぞれのバスケットに含まれる品目の中国の関税番号は以下の通り。
・バスケット1:04012000、04014000、04015000
・バスケット2:04021000、04022100、04022900、04029100
・バスケット3:04051000、04059000
・バスケット4:04061000、04063000、04069000
中NZ・FTAでは、バスケット1〜4の乳製品について、発効1年目から、順次、特別セーフガードの発動基準数量を拡大するとともに、枠内税率を引き下げることとされている。このうち、バスケット1、3および4については17年から、全粉乳や脱脂粉乳などが含まれるバスケット2については19年から、枠内税率が無税となっている
(注2)。
(注2)中NZ・FTAにおける特別セーフガード措置の詳細は、
「畜産の情報2016年9月号」P94〜95を参照されたい。
NZは、いずれのバスケットでも中国の重要な輸入先であり、毎年、発動基準数量を大きく超える量の輸入が行われてきた(注3)(図)。今回の措置により、NZから中国に輸入されるバスケット1、3および4の乳製品については、数量制限なく、無税で輸入できることとなるため、中国の乳製品輸入におけるNZのプレゼンスがさらに高まるとみられる。
なお、中国の乳製品輸入量の相当部分を占める全粉乳や脱脂粉乳などが含まれるバスケット2については、23年まで特別セーフガード措置の適用が予定されている。
(注3)発動基準数量を超えたものには、最恵国税率を適用。
【阿南小有里 令和4年1月31日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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