中国国家統計局は1月17日、2021年の国民所得と消費支出に関する統計を公表したが、その中で、同年の1人当たり畜産物年間消費量が明らかにされた。
これを品目別に見ると、肉類は前年比20.5%増の45.2キログラムと大幅に増加した。これまで肉類の1人当たりの年間消費量は、うち5割程度を占める豚肉の消費量の増減と呼応するように推移している(図1)。こうしたことから、現時点で年21年の畜種別の1人当たり年間消費量の詳細は明らかではないものの、同年の豚肉の消費量は相当程度増加しているものとみられる。現地報道では、21年の肉類年間消費量の増加要因について、20年は中国国内でのアフリカ豚熱の流行に起因する豚肉価格の高騰
(注)により豚肉の消費が減少していたが、21年の豚肉価格の急落を受けて消費が回復したことなどが挙げられている。
(注)豚肉価格については、
畜産の情報2021年12月号「と畜頭数は近年にない高水準、 豚肉輸入量は減少」を参照されたい。
また、乳製品については、同10.6%増の14.4キログラムとかなりの程度増加した。この要因について現地報道では、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の発生以来、消費者が健康的な食事に注意を払うようになっていることに加え、中国国家衛生健康委員会が国民に対して牛乳の摂取を奨励したことなどが挙げられている。