豪州の食肉団体、家畜市場取引調査結果を公表
豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は2022年1月、2020/21年度(7月から翌年6月)の豪州国内の家畜市場における牛と羊の取引調査の結果を公表した。本調査は、豪州家畜市場協会(ALMA)の協力により実施され、全国、各州および家畜市場ごとに毎年集計されている。
本調査結果によると、20/21年度の豪州全体の家畜市場(73カ所)の牛の取引頭数は、354万5775頭(前年度比23.9%減)と、前年度の465万6493頭から大幅に減少(111万718頭減)している。また、牛と羊を合わせて1700万件の家畜取引が行われたが、前年度の1890万件からは、10.2%減少したとしている。
州別に見ると、牛の取引が最も多かったのはクイーンズランド(QLD)州で、113万1723頭と全体の31.9%を占めた。次いでニューサウスウェールズ(NSW)州が103万7095頭(同29.2%)、ビクトリア(VIC)州が86万1479頭(同24.3%)となった(図)。
各家畜市場の牛の取引頭数を見ると、最も取引頭数が多かったのは、QLD州ローマ(ブリスベンから西に約480キロメートル)の家畜市場で、23万9224頭の取引が行われたが、前年度比で13.1%減とかなり大きく減少している(表)。その他の家畜市場でも減少しているものの、近年重要な家畜市場として取引頭数が増加傾向にあるQLD州のグレースメア(ブリスベンから北に約610キロメートル)、前年度の取引頭数が低位で推移していた同州のマリーバ(ケアンズから西に約60キロメートル)、比較的高額での牛取引が多いVIC州のモートレイク(メルボルンから西に約220キロメートル)の家畜市場では、近隣からの出荷が増加するなどして、取引頭数が前年度比で大幅に増加している。
MLAは、過去の干ばつから回復し、降雨に恵まれて牧草の生育環境が良好なため、生産者の保留意欲が強く、牛群再構築が進展していることが、取引件数および頭数減少の要因としている。ただし、2022年以降、牛群再構築がさらに進展して牛の出荷が進み、より多くの牛が市場で取引されることが予想されるとしている。
【調査情報部 令和4年2月28日発】
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