2021年12月末のフィードロット飼養頭数、高水準を維持(豪州)
豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は2月23日、四半期ごとに共同で実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2021年10〜12月期)を公表した。
これによると、当期(2021年12月末)のフィードロット飼養頭数は、115万9991頭(前回比3.7%増、前年同期比10.7%増)と前回調査(2021年9月末)から4万898頭増加した(図1)。また、フィードロット収容可能頭数は、145万3580頭(前回比0.4%増、前年同期比0.6%増)と前回調査から5万864頭増加し、過去最高を記録した。
この結果、フィードロットの稼働率は79.8%となり、前回調査(2021年9月末:77.3%)からわずかに上昇し、過去5年間平均稼働率である79.6%を超える結果となった。このことについてALFAは、フィードロット飼養頭数と肥育農場の収容能力の増加は、業界の将来に対する継続的な信頼を示すものであるとしている。
フィードロット飼養頭数を州別に見ると、ニューサウスウェールズ(NSW)州、南オーストラリア州、西オーストラリア州の3州が前回調査を上回ったものの、クイーンズランド(QLD)州およびビクトリア(VIC)州は下回った(表)。また、前年同期比では、全飼養頭数が最多のQLD州と第2位となるNSW州がいずれも上回った。ALFAでは、今期はQLD州の穀物肥育牛(100日肥育)枝肉平均価格が1キログラム当たり7豪ドル(595円:1豪ドル=84.95円(注))に達し、過去最高を記録するなど、価格が好調なことを増加の要因としている。また、2022年も引き続き穀物肥育牛に対する安定的な需要を見込んでいるとしている。
(注):三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年2月末 TTS相場。
2021年10〜12月期の穀物肥育牛と畜頭数は、72万6069頭(前年同期比11.8%増、前回比2.5%増)と4期連続で増加した(図2)。これについてALFAは、10月から12月の豪州の牛肉生産量に占める穀物肥育牛の割合が史上初めて50%超え(54.5%)となり、また、牛群再構築下で牛肉供給量が減少する中で、豪州産牛肉の安定供給に寄与するものとしている。
【廣田 李花子 令和4年3月2日発】
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