2月28日付けのニュージーランド(NZ)の現地報道によると、同国最大の酪農協系乳業メーカーであるフォンテラ社は、ロシアによるウクライナへの侵攻を受けて、ロシア向けの乳製品輸出を一時停止した。NZ統計局(Stats NZ)の資料によると、2020年のNZのロシア向けの輸出総額は約3億2463万NZドル(257億3342万円:1NZドル=79.27円(注))であり、そのうちの約半分を乳製品が占めている。
(注):三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年2月末
TTS相場。
現地取材に対しフォンテラ社は、乳製品を含む食品は一般的に国際的な制裁体制から免除されているため取引は可能であるが、動向を見守り続けるため、ロシアへの乳製品出荷を一時停止したとしている、また、ロシアに対する新たな制裁措置など状況は急速に変化しており、引き続きその動向を注視するとしている。
同じくNZ乳業協会(DCANZ)は、ロシアに対する制裁措置の影響や要件を理解することを含め、東ヨーロッパの状況の推移を注視していくとしている。
さらに、NZ食肉産業協会(MIA)は、全体で90億NZドル(7134億3000万円)規模の輸出を誇る食肉部門にとってロシアは主要な輸出先国ではない(2020年実績:478万NZドル(3億7891万円))とし、(ロシア向けの食肉輸出を停止したとしても)重大な影響を受けることはないとしている。