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ブラジルサトウキビ産業協会、2021年のバイオマス発電の状況を公表

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最終更新日:2022年3月11日

 ブラジルサトウキビ産業協会(UNICA)は2月23日、2021年の送電網向け(注)のバイオマス由来(バガス、バイオガス、薪など)の発電量は約2万5400ギガワット時に達し、同国における総発電量の約4%を占めたことを明らかにした。これは、UNICAが同国の電力取引委員会(CCEE)の統計を基に調査し明らかにしたもので、バイオマス発電量のうちの79.5%(2万202ギガワット時)がサトウキビ由来によるものであったとしている(図1)。なお21年のサトウキビ由来の発電量は前年比10.6%減とかなりの程度減少したものの、UNICAは、国内1020万世帯分の電力需要を満たすには十分な量であったとしている。

(注)総発電量から自家消費分を除いたもの。
 
 UNICAは、砂糖産業のバイオマス発電は同国にとって不可欠なものであるとし、同年におけるサトウキビ由来発電量の85%は、降雨量の低下により水力発電所の発電量が落ち込む5月から11月の間に発電され、同国の電力供給の安定化に寄与したと高く評価している。また、サトウキビ由来の発電により二酸化炭素700万トン分の排出が削減されたと推定するとともに、12年から21年の10年間の累計発電量は19万6867ギガワット時に上るとし、これは中国の13日分、米国の18日分、EUの25日分、英国の232日分、アルゼンチンの1年8カ月分の電力需要を満たすのに十分な量であるとしている。

 なお、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、同国のバガスによる発電能力は世界第1位で、11年以降、増加傾向で推移する中、20年は全世界のバガス発電能力の59.6%を占めた(図2)。
 
図1
図2
【塩原 百合子 令和4年3月11日発】
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