ニュージーランド(NZ)のフォンテラ社は3月21日、同社のプレスリリースを通じロシアでの事業から撤退することを公表した。同社は、ロシアによるウクライナへの侵攻を受けて、2月末にロシア向けの乳製品輸出の一時停止を発表していた
(注1)。
同社の最高経営責任者であるハレル氏は、2月の輸出停止は、ロシア在住の同社従業員の安全性を確保するための最初のステップであったと述べた。その後、ロシア経済に対する制裁の影響などを慎重に検討し、事業の撤退を決断したとしている。
この度の事業撤退により、モスクワにある同社のロシア事務所が閉鎖されるほか、合弁会社であるユニフード
(注2)からの撤退も発表した。
(注1)海外情報「フォンテラ社、ロシアへの乳製品輸出を一時停止(NZ)
(
https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003192.html)を参照されたい。
(注2)2017年にサンクトペテルブルクに設立されたロシアとカザフスタンにおける
フォンテラ社製品の公式サプライヤー。同社はユニフードの少数株主であり、2018年12月に資本参入。
NZからロシア向けには、40年以上にわたり乳製品が輸出され、同社のバターを中心に、年間輸出量の約1%が同国向けに輸出されているとされる。
ハレル氏は、NZ産乳製品に対する現在の旺盛な需要を考えると、ロシア向けを他の市場に再配分することは可能であり、十分な自信を持っているとしている。
また、現地報道によると、NZ政府のダミアン・オコナー農業相は、フォンテラ社の対応を支持し、ウクライナ侵攻に反対するNZ企業の結束を歓迎するとコメントしている。