2021/22年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第7回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は4月7日、2021/22年度第7回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
第2期作トウモロコシの播種作業は順調に終了し、生産量は過去最大の見込み
21/22年度(第1〜第3期作)のトウモロコシ生産量は、前回より326万1000トン上方修正され、1億1560万2100トン(前年度比32.7%増)と第2期作を中心に前年度を大幅に上回ると見込まれている。これは、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった19/20年度の記録を更新するものである。
全生産量の4分の1弱を占める第1期作トウモロコシは、作付面積の47%(22年3月末時点)で収穫が行われた。生産量は、前回より55万4300トン上方修正され、2488万5800トン(同0.6%増)で前年度並みが見込まれている。これは、主産地である南部リオグランデドスル州などでは、21年11〜12月の水不足などの影響で大幅な減産が見込まれるものの、その後の降雨により遅まきの作物の状況が一部改善したためである。
また、全体の4分の3強を占める第2期作は、作付面積の98.2%(22年3月末時点)で播種が行われ、ほぼ作業が終了した。20/21年度には、播種の遅れが見られたものの、21/22年度はほとんどの地域で理想的な期間内に播種作業が行われた。21/22年度の生産量は、前回より238万1700トン上方修正され、8853万5500トン(同45.8%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。主産地では、降雨に恵まれ、作物の生育状況はいずれも良好となっている。
トウモロコシの需給動向を見ると、生産量の増加を受け、21/22年度の輸出量は前回より200万トン上方修正され、3700万トンと見込まれている・
大豆生産量、南部を中心に減少し4回連続で下方修正
21/22年度の大豆生産量は、4回連続で下方修正され、前回より32万4600トン少ない1億2243万1100トン(前年度比11.4%減)と前年度をかなり大きく下回ると見込まれている。これは、南部各州および中西部のマットグロッソドスル州において、21年11〜12月の水不足などの影響により、単収が減少すると見込まれるためである。大豆は作付面積の75.8%(22年3月末時点)で収穫が行われた。
地域別に見ると、主産地の1つである南部リオグランデドスル州では、22年3月に全域でまとまった降雨に恵まれたものの、作物の多くがすでに成熟期を迎えていることから、その恩恵は限定的なものとなった。このため、生産量は、20/21年よりほぼ半減(同50.8%減)すると見込まれている。
大豆需給動向を見ると、生産量の減少を受け2021/22年度の輸出量は、前回より316万4千トン下方修正され、7700万トンと見込まれている。
【井田 俊二 令和4年4月18日発】
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