フィードロット飼養頭数および収容可能頭数、過去最高に(豪州)
豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は5月23日、四半期ごとに共同で実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2022年1〜3月期)を公表した。
これによると、当期(22年3月末)のフィードロット飼養頭数は、全ての州で増加した結果、これまでの最高記録を3万頭以上も上回る126万9927頭(前年同期比26.4%増、前回比9.5%増)となった(表、図1)。豪州の気象状況が非常に恵まれていたにも関わらずフィードロットの飼養頭数が最高記録を更新した(注)ことについてALFAは、「フィードロットが豪州の肉用牛生産を支え続けている証拠」としている。しかし同時に、最近の強気な穀物国際市場の動向と新型コロナウイルス感染症(COVID−19)が国内の商品サプライチェーンに与えた影響を注意深く監視しているともコメントしている。
(注)ALFAによると、フィードロットでの飼養頭数は、放牧地における牧草や水の確保が比較的困難となる干ばつの発生年に増加する傾向があるとしている。
また、フィードロット収容可能頭数も過去最高を更新し、148万5714頭(前年同期比2.4%増、前回比2.2%増)となった。
この結果、フィードロットの稼働率は85.5%と、同期の過去5年間平均稼働率である78.5%をかなりの程度上回る結果となった。このことについてALFAは、「高品質な豪州牛肉への需要に応えるために、フィードロットがいかに重要であるかを示している」とコメントしている。
また、当期(22年1〜3月期)の穀物肥育牛と畜頭数は、74万2323頭(前年同期比11.5%増、前回比2.2%増)となり、5期連続で増加した(図2)
今回の調査を通してALFAは、COVID−19や洪水などにより発生した22年当初のサプライチェーンの混乱は、豪州フィードロットの継続的な成長と強さに影響を与えていないことが明らかになったとしている。
【阿南 小有里 令和4年6月3日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9530