イタリア保健省動物衛生当局(IZSUM)は6月13日、ラツィオ州ローマ県(ローマ近郊)の肥育豚にアフリカ豚熱が発生したことを発表した。
これは、ラツィオ州ローマ県で9頭の豚を飼育している小規模養豚農場で死亡した2頭の豚に関して、6月9日にアフリカ豚熱が確認されたものである。発生農場は5月5日に野生のイノシシにアフリカ豚熱が確認されたことにより設置された制限区域内にあり、同農場の肥育豚も淘汰が予定されていた(図1)。
なお、日本では、同国での野生イノシシの感染発生を受け、2022年1月より同国から日本に輸出される生きた豚、豚肉等の輸入を停止している(注)。
(注)
海外情報「イタリア本土で野生イノシシのアフリカ豚熱発生を確認(EU)」を参照されたい。
また、2022年1月に野生イノシシへの感染が発生したピエモンテ州およびリグーリア州では、制限区域内への封じ込めに成功しているものの、野生イノシシでのアフリカ豚熱の感染が継続している。
イタリア動物疾病検査機関(IZSPLV)の6月15日付の発表によると、22年1月の発生以降、6月14日までの間に147の感染例が確認されており、6月に入っても感染が継続している(図2)。
イタリアの農業生産者連合(Coldiretti)は6月10日付の声明で、イノシシの数を抑制することの重要性を再度訴えるとともに、被害にあった生産者の補償を求めている。