畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2022年 > 2021/22年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第10回)を公表 (ブラジル)

2021/22年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第10回)を公表 (ブラジル)

印刷ページ
 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は7月7日、2021/22年度第10回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

第2期作トウモロコシ、前年度比45.6%増と大幅な増産の見込み

 2021/22年度(第1〜第3期作)のトウモロコシ生産量は、前回より43万9600トン上方修正され、1億1566万2700トン(前年度比32.8%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。これは、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった19/20年度の記録を更新するものとなる。
 全生産量の4分の1弱を占める第1期作トウモロコシは、作付面積の92.8%(22年6月末時点)で収穫(8月上旬終了見込み)が行われ、生産量は前年度並みの2480万4600トン(同0.3%増)と見込まれている。これは、作付面積が前年度より4.5%増加したものの、主産地である南部地域のリオグランデドスル州やパラナ州が21年11〜12月にかけて深刻な水不足に陥ったことで、単収が大幅に減少したためである。
 同じく4分の3強を占める第2期作トウモロコシは、作付面積の20.4%(22年6月末時点)の収穫が行われるなど、播種の遅れや収穫時の悪天候などにより収穫が遅れた前年度より速いペースで作業が進んでいる。生産量は、過去最大となった作付面積(前年度比9.7%増)に加え、20/21年度の落ち込んだ単収が大幅に回復(同32.7%増)することから、8844万8100トン(同45.6%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。ただし、南東部のミナスジェライス州、サンパウロ州、中西部のゴイアス州、北東部のバイーア州といった地域では、4月以降に降水量が急減し、作物の一部に悪影響を及ぼした。さらに、南部のパラナ州や中西部のマットグロッソドスル州では、害虫(ヨコバイ)による作物への被害が懸念されている。
 このほか、同じく2%程度を占める第3期作トウモロコシは、現在播種が行われているところであるが、堅調な市場価格を背景に生産者の作付け意欲が強く、作付面積は前年比12.5%増と見込まれている。

大豆生産量の減少により輸出量は前年度比12.6%減の見込み

 2021/22年度の大豆の収穫は、南部のリオグランデドスル州、サンタカタリーナ州および北東部のマラニョン州を最後にすべて終了した。大豆生産量は、前回より22万200トン下方修正され、1億2404万7800トン(前年度比10.2%減)と前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。堅調な国際価格を反映して作付面積が前年度比4.5%増となったものの、南部3州および中西部のマットグロッソドスル州が、21年11〜12月にかけてラニーニャ現象の影響により深刻な水不足に陥ったことで、単収が大幅に減少したためである。
 このため、大豆輸出量は7523万2000トン(前年度比12.6%減)と前年度を1088万トン下回ると見込まれている。
表
図1
図2
参考1
参考2
【井田 俊二 令和4年7月15日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472