酪農生産者の全国組織であるカナダ酪農生産者協会(DFC:Daily Farmers of Canada)は7月1日、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにするという目標「ネットゼロ2050」を周知する広告キャンペーン「私も参加する(I'm In)」 を開始した。カナダの酪農生産者は長年、環境に配慮した酪農に注力し、安全で高品質、栄養価の高い生乳生産を行ってきたという自負があり、こうした取り組みを消費者に周知するのを目的としている。
今回のキャンペーンではYouTubeなどが活用され、酪農生産者がDFCの掲げる「ネットゼロ2050」に向けて、「私も参加する(I'm In)」と表明し、持続可能な酪農や環境保護への取り組みを誇らしげに語っている。
また、動画を通して、酪農生産者による生乳の品質を保証する取り組みや、土壌の健全性と保水性、再生可能エネルギーの利用、牧場で使用されるプラスチックのリサイクル、生物多様性に焦点を当てた牧草生産の取り組みや革新的な技術が紹介されている。
このキャンペーンは、8月12日までテレビ放送やその他デジタル媒体を通じて実施され、商品購入に際して環境への影響を判断基準にする傾向の高いミレニアル世代やZ世代(注)に向けた、強力なインフルエンサーも参加している。
DFCのマーケティング担当のナレワジャック副会長は、カナダの酪農生産者が環境に配慮した生産をすることは新しいことではなく昔からやってきたことであり、それが国民に信頼されてきた理由の1つとした。また、「我々酪農生産者は、カナダ酪農の未来のために持続可能な酪農、多くの改善に長年に渡って取り組んできたが、それは消費者の要望を反映させたというだけではなく、カナダの酪農生産者自身にとって価値のあることとして取り組んできた」とHPを通じてコメントした。
さらに、DFCのランプロン会長は、カナダの酪農は世界でも最高水準の低炭素化を達成しているとし、「ネットゼロ2050」は、カナダの酪農生産者の継続的な努力と抱負を大胆に宣言するものとしている。
(注)一般的に、ミレニアル世代は1981〜1996年生まれ、Z世代は1997年以降生まれとされている。