また、6月のコーンスターチ企業の工場平均稼働率は59.3%となり、2カ月連続で上昇した。3〜4月は消極的であったコーンスターチ生産は、5月以降、通常操業に戻りつつあるが、市場での消費意欲は依然として十分ではなく、需給の差は広がったままとなっている。このような中で、6月前半には飼料用油脂の値上がりなどを背景に、コーンスターチ加工時の副産物である胚芽やグルテンミールなどの価格が上昇し、業界の利益を下支えする好材料となった。
同協会によると、同国内のトウモロコシ需給について、7月は供給量が少なくなるが、コーンスターチ加工企業や飼料メーカーの在庫は1〜2カ月分確保されており、需要も低調と予想している。7月末以降は春播きトウモロコシが収穫期を迎えることで、供給量の増加に伴いトウモロコシ価格下落の可能性もあるが、一方で、収穫時期の遅れやトウモロコシの品質、収量などによっては、今後、価格上昇も予測されるため、注視が必要としている。
また、コーンスターチ需給については、業界の利益を下支えした副産物の価格が、大豆粕の価格などに追随して下落に転じており、今後、中小加工企業の一部で減産や操業停止が想定されることで、コーンスターチの供給が減少する可能性があるしている。併せて、近時の酷暑が続けば、飲料需要の伸びから異性化糖需要の増加が想定されるものの、製紙など他分野からの需要拡大が見込まれず、コーンスターチ需要全体の増加を後押しすることは期待できないと予測している。
【針ヶ谷 敦子 令和4年8月16日発】