2021/22年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第11回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は8月11日、2021/22年度第11回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
2021/22年度トウモロコシ生産量、下方修正されたものの前年度比大幅増を維持
2021/22年度(第1〜第3期作)のトウモロコシ生産量は、前回より97万1400トン下方修正されたものの、1億1469万1300トン(前年度比31.7%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。これは、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった19/20年度の記録を更新するものとなる。
全生産量の4分の1弱を占める第1期作トウモロコシは、作付面積の99.4%(22年7月末時点)で収穫が行われ、残る北東部の一部は8月上旬に終了し、生産量は2497万9100トン(同1.0%増)と前年度をわずかに上回ると見込まれている。第1期作トウモロコシの作付面積は前年度より4.5%増加したものの、主産地である南部のリオグランデドスル州やパラナ州で21年11月から年明けにかけて深刻な降水量不足に陥り、単収が大幅に減少したことが影響した。
同じく4分の3強を占める第2期作トウモロコシは、作付面積の7割を超える地域で収穫が行われ、生産量は前回より104万1400トン下方修正されたものの、8740万6700トン(同43.9%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。生産量の増加は、堅調な国際価格を反映して作付面積(同9.2%増)が過去最大となったことに加え、20/21年度に落ち込んだ単収が大幅に回復(同31.8%増)するためである。なお、今回、降水量不足の影響や害虫(ヨコバイ)による作物への被害により、南部のパラナ州、南東部のミナスジェライス州、サンパウロ州、中西部のゴイアス州など広い地域で生産量が下方修正された。
このほか、同じく2%程度を占める第3期作トウモロコシは、すべての州で播種が終了し、生産量は前回より10万4200トン下方修正されたものの、230万5600トン(同41.6%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。今回、大雨の影響により、北東部のアラゴアス州、ペルナンブコ州などで単収が落ち込み下方修正された。
大豆の2021/22年度期末在庫量、搾油量の減少により上方修正
2021/22年度の大豆の収穫は6月に終了し、生産量は前回と同じく1億2404万7800トン(前年度比10.2%減)となり、前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。堅調な国際価格を反映して作付面積が同4.5%増となったものの、南部3州および中西部のマットグロッソドスル州で21年11月から年明けにかけてラニーニャ現象の影響により深刻な水不足に陥り、単収が大幅に減少したことが影響した。
需給状況を見ると、21/22年度期首在庫は、前年度のバイオディーゼル生産に占める大豆油比率が引き下げられ加工量が下方修正された結果、147万8000トン上方修正され765万3800トン(同81.4%増)となった。また、21/22年度期末在庫は、同様に大豆油比率が引き下げられ加工量が下方修正された結果、132万9000トン上方修正され597万8000トン(同21.9%減)と見込まれている。
【井田 俊二 令和4年8月19日発】
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