インドネシア国家防災庁は口蹄疫のまん延を抑えるため、以下の5つの主要な戦略を掲げ、対策に取り組むとしている。
(1)厳格な家畜の衛生管理
農場内外の家畜、施設、設備、関係者の消毒を実施、移動制限などによる管理
(2)り患した家畜の治療
家畜の免疫力および体力を回復させるための動物薬やビタミン剤を投与
(3)口蹄疫の検疫の強化
PCRや抗原検査を利用した検疫を実施
(4)ワクチン接種の実施
感染拡大が著しいレッドゾーンおよびイエローゾーン
(注2)地域の健康な家畜を優先したワクチンの接種。グリーンゾーンでは基本的にワクチンを接種せず、衛生管理の徹底で対応
(5)口蹄疫に感染した家畜の処分
主に感染の少ない地域でり患した家畜を対象に、口蹄疫が広範囲にまん延することを防ぐための殺処分の実施
(注2)口蹄疫のまん延状況により、州ごとに区分管理を行い、以下の3つに分けて管理するとしている。
- レッドゾーン:州内の50%以上の市や地域で感染が確認されている州
- イエローゾーン:感染が確認されているものの、州内で感染が確認されている市や地域が50%未満の州
- グリーンゾーン:り患動物が確認されていない州
口蹄疫まん延防止対策として有効とされているワクチン接種に関する取り組みについては、6月12日に海外からの口蹄疫ワクチン第1便がフランスから到着し、感染状況の深刻なレッドゾーンから優先的にワクチン接種が開始された。インドネシア政府は、ワクチン接種の第一段階として計300万回分のワクチンを準備しており、9月中旬までにこの接種の完了を目標としている。9月1日現在では、200万頭以上の家畜に対してワクチン接種が行われている(図6)。同国政府は、輸入ワクチンのほか、国内のメーカーとも協力して迅速に必要とされる口蹄疫ワクチンを確保するとしている。