6月下旬から7月にかけての生体豚価格の急激な上昇は、上海などのロックダウン解除に伴う需要の回復に加え、価格上昇への期待から生産者が出荷調整を行ったことが要因とされている。中国では中秋節(22年は9月10〜12日)や国慶節(同10月1〜7日)などの大型連休による消費需要(連休需要)が見込まれるため、今回の放出は主要な食肉である豚肉価格の安定を図る目的で実施されたとみられる。
発改委などは、地方政府により備蓄された豚肉に対しても放出を求めており、現地報道によると、広西省、四川省、吉林省、寧夏省、湖南省などがすでに準備を進めているという。
(注1)「完善政府猪肉儲備調節机制 做好猪肉市場保供穏价工作預案」
(2021年第770号公告)を指す。なお、詳細は海外情報「
豚肉価格下落を受けて国家備蓄のための豚肉の買入・保管を開始(中国)」を参照されたい。
(注2)政府による養豚生産者の収益性の指標値。算出方法は、1キログラム当たり生体豚出荷価格/1キログラム当たりトウモロコシ卸売価格。損益分岐点は7:1とされている。価格高騰時の警報水準のうち、最も低い水準である第3級警報基準は9:1以上とされる。