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米国農務省による世界のトウモロコシ需給予測(2022年9月)

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2022/23年度の世界のトウモロコシ、期末在庫は前年度から微減の見込み

 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2022年9月12日、22/23年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
 これによると、世界のトウモロコシ生産量は11億7258万トン(前年度比3.9%減)と前月から703万トン下方修正され、前年度をやや下回ると見込まれている。地域別に見ると、主要産地での降雨により増産が見込まれる中国のほか、ウクライナなどで生産量が前月から上方修正されたが、フランス、ルーマニアおよびドイツでの減産が見込まれるEUや米国の生産量が前月から下方修正されたことで、これが吸収される形となった。
 輸入量は、世界全体で1億7825万トン(同2.0%減)と前月から153万トン下方修正され、前年度からわずかな減少が見込まれている。地域別に見ると、カナダは米国での減産による供給量の減少を背景に輸入量が前月から100万トン下方修正され、150万トン(同75.4%減)と前年度から大幅な減少が見込まれている。
 消費量は、世界全体で11億8018万トン(同1.7%減)と前月から459万トン下方修正され、前年度からわずかな減少が見込まれている。地域別に見ると、ウクライナなどで前月から上方修正されたが、米国などで下方修正された。最大の消費国である中国は2億9500万トンと前月から据え置かれた。
 輸出量は、世界全体で1億8358万トン(同9.7%減)と前月から204万トン下方修正され、前年度からかなりの程度減少が見込まれている。地域別に見ると、ウクライナで50万トン前月から上方修正された一方、米国で254万トン下方修正されたことで、これが吸収される形となった。
 この結果、期末在庫は3億453万トン(同2.4%減)と前月から215万トン下方修正され、前年度からわずかな減少が見込まれている。
表1 主要国のトウモロコシの需給見通し(2022年9月12日米国農務省公表)

2022/23年度の米国トウモロコシ、在庫率は8%台まで低下

 USDA/WAOBは2022年9月12日、22/23年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表2)。
 生産量は、前月に続く単収減に加え、作付面積などの減少予測も受けて139億4400万ブッシェル(3億5419万トン(注1)、前年度比7.7%減)と前月から4億1500万ブッシェル(1054万トン)下方修正され、前年度からかなりの程度減少すると見込まれている。
 消費量は、120億ブッシェル(3億481万トン、同3.0%減)と前月から1億5000万ブッシェル(381万トン)下方修正され、前年度からやや減少すると見込まれている。内訳を見ると、飼料など向けやエタノール向けがトウモロコシの減産や価格高騰などを背景に減少すると予測されている。
 輸出量は、22億7500万ブッシェル(5779万トン、同8.1%減)と前月から1億ブッシェル(254万トン)下方修正され、前年度からの減少幅が拡大すると見込まれている。
この結果、期末在庫は、消費量よりも生産量の減少幅が大きかったことから12億1900万ブッシェル(3095万トン、同20.1%減)と前月から1億6900万ブッシェル(429万トン)下方修正され、前年度を大幅に下回ると見込まれている。
 また期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は8.5%(同1.8ポイント減)と、8%台まで低下すると見込まれている。
 生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり6.75米ドル(943円。1キログラム当たり37.1円:1米ドル=139.63円(注2))と前月から上方修正され、前年度からかなり大きく上昇し、12/13年度に記録した同6.89米ドル以来の高値が予測されている。
 
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年8月末TTS相場。
表2 米国のトウモロコシの需給見通し (2022年9月12日米国農務省公表)
【針ヶ谷 敦子 令和4年9月16日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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