2022/23年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第1回)を公表 (ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は10月6日、2022/23年度第1回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。これによると、22/23年度穀物合計の生産量は、作付面積、単収がともに増加し、3億1236万5200トン(前年度比15.3%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。
22/23年度トウモロコシ生産量は2期連続で過去最大を更新する見込み
2022/23年度トウモロコシ生産量は、1億2694万1500トン(前年度比12.5%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった21/22年度の生産量を更新すると見込まれている。
全生産量の4分の1弱を占める第1期作の生産量は、2869万2000トン(同14.6%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。これは、作付面積が同1.5%減とわずかに減少するものの、前年度、ラニーニャ現象の影響で深刻な降水量不足に陥り作物に大きな被害が発生した南部のリオグランデドスル州やパラナ州などで単収が回復することが見込まれているためである。なお、第1期作の播種作業は、8月中旬から南部の州で開始されている。主要生産州別に見ると、最大の生産地である南部のリオグランデドスル州では作付面積の62%で播種が行われ、577万3000トン(同30.5%増)と大幅な生産量の回復が見込まれている。このほか、南部のパラナ州やサンタカタリーナ州でも同様に回復が見込まれているが、その一方で、害虫(ヨコバイなど)による被害も懸念されている。
また、全体の4分の3程度を占める第2期作の生産量は、9627万6800トン(同12.4%増)と前年度をかなり大きく上回ると見込まれている。一方、全体の2%程度を占める第3期作は、197万2500トン(同8.5%減)と前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。
需給状況を見ると、22/23年度の輸出量は、海外からの需要が強く4500万トン(同21.6%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。
22/23年度の大豆生産量は前年度から回復し過去最大の見込み
2022/23年度の大豆生産量は、1億5235万2500トン(前年度比21.3%増)と前年度を大幅に上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった20/21年度の記録を更新すると見込まれている。これは、高利益が期待されることから生産者の作付け意欲が強く、トウモロコシをはじめ他の作物からの転作が進み作付面積が増加すること、また、前年度、ラニーニャ現象の影響で深刻な降水量不足に陥り作物に大きな被害が発生した南部3州および中西部のマットグロッソドスル州などで単収が回復すると見込まれているためである。なお、大豆の播種作業は、南部のパラナ州などで9月中旬から開始している。
需給状況を見ると、22/23年度の輸出量は、生産量の増加を背景として9587万7000トン(同22.5%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている。
【井田 俊二 令和4年10月18日発】
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