2022年9月末のフィードロット飼養頭数、2期連続で減少(豪州)
豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は11月10日、四半期ごとに共同で実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2022年7〜9月期)を公表した。
これによると、当期(22年9月末)のフィードロット飼養頭数は、105万6056頭(前年同期比5.6%減、前回比11.7%減)と、18年3月末以降、19期連続で100万頭を上回った。一方で、前回調査(22年6月末:119万5466頭)からはかなり大きく減少し、過去最高を記録した前々回調査(22年3月末:126万9927頭)から2期連続で減少する結果となった(図1)。
これについてALFAは「肥育産業が現在、厳しい経営環境にあることが飼養頭数の減少に反映された。輸送や物流面での問題、穀物飼料価格の高騰、持続する悪天候が業界の課題となっている」とした上で、「これらの課題があるにもかかわらず、飼養頭数が100万頭以上を維持できているのは、業界の底力を示すものである」とコメントした。
一方で、フィードロット収容可能頭数は、肥育産業に対する長期的な信頼の表れから堅調な伸びを見せ、過去最高となる151万1296頭(前年同期比4.4%増、前回比2.7%増)を記録した。
この結果、フィードロットの稼働率は69.9%と前回調査の81.2%から11.3ポイント低下し、同期の過去5年間平均稼働率(79.0%)と比較しても低水準となった。
フィードロット飼養頭数を州別に見ると、南オーストラリア州を除くすべての州で前回調査を下回り、全体では13万9410頭減少した。このうち、飼養頭数全体の6割程度を占めるクイーンズランド州では8万1927頭(前回比11.6%減)、飼養頭数第2位のニューサウスウェールズ州では2万9510頭(同8.8%減)減少し、この2州で国全体の減少数の79.9%を占めた(表)。
また、当期の穀物肥育牛と畜頭数は、71万3923頭(前年同期比0.8%増、前回比6.9%増)と前回調査からかなりの程度増加した(図2)。これについてMLAは「穀物肥育業界が牛肉生産に大きく貢献していることを示すものである」とコメントした。また、当期の穀物肥育牛の輸出量は、特に韓国や中国からの旺盛な需要を背景に堅調に推移した。
【工藤 理帆 令和4年11月25日発】
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