米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2023年1月12日、2022/23年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
これによると、世界の生産量は3億8801万トン(前年度比8.4%増)と前月から316万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルは前月から100万トン上方修正されたが、これに続く米国、アルゼンチンが干ばつの影響などからそれぞれ189万トン、400万トン下方修正されたことが影響した。
輸入量は、世界全体で1億6432万トン(同4.6%増)と前月から189万トン下方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は、国内生産の増加(前月から193万トン上方修正)により前月から200万トン下方修正された。
消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億2732万トン(同4.2%増)と前月から200万トン下方修正された。このうち、最大の消費国である中国は、国内での需要減少が見込まれることで前月から100万トン下方修正された。
輸出量は、世界全体で1億6753万トン(同8.9%増)と前月から185万トン下方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジルは前月から150万トン上方修正されたが、これに続く米国、アルゼンチンがそれぞれ150万トン、200万トン下方修正されたことが影響した。
この結果、期末在庫は1億352万トン(同5.4%増)と前月から81万トン上方修正され、引き続き1億トン台を維持している。
例年、1月の予測は米国などの生産量が確定しつつある中で、ある程度の修正が行われるとされており、米国の穀物関係者からは、今回の予測もこの例外ではなかったとの声が出ている。特に、米国の生産量の下方修正により、同国の需給が引き続きひっ迫傾向となったことで、今後の輸出への影響などに注目が集まっている。