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2022/23年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第4回)を公表 (ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は1月12日、2022/23年度第4回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した(表、図1〜2)。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

トウモロコシ生産量は3回連続で下方修正

 2022/23年度のトウモロコシ生産量は、前回より76万5300トン少なく3回続けて下方修正されたものの、1億2506万2400トン(前年度比10.5%増)と依然とした前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった21/22年度の生産量を更新すると見込まれている。
 全生産量の4分の1弱を占める第1期作の生産量は、前回より下方修正されたものの2646万1200トン(同5.7%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。これは、前年度、ラニーニャ現象の影響による深刻な雨不足で大きな被害を受けた南部で大幅に生産が回復するためである。ただし、全体の作付面積は、南東部、中西部および南部を中心に同3.3%減と前年度をやや下回った。なお、第1期作については、作付面積の90.1%で播種が行われた。
 州別に見ると、主産地の一つである南部のリオグランデドスル州の生産量は、468万8000トン(同61.6%増)と前年度の落ち込みから大幅に回復すると見込まれている。ただし、今回、同州は生産量の8.6%に当たる43万9900トンが下方修正された。これは、同州中部を中心に雨不足や高温の気候となったほか、害虫の発生などの影響により生産性が低下したためである。また、最大の生産地である南東部のミナスジェライス州の生産量は、大豆などへの転換により作付面積が前年度より減少することに加え、一部地域での干ばつの影響により491万7400トン(同10.8%減)と前年度をかなりの程度下回ると見込まれている。
 また、全体の4分の3程度を占める第2期作および同じく2%程度を占める第3期作の生産量予測は、いずれも前回から据え置かれた。

大豆生産量は南部リオグランデドスル州を中心に下方修正

 2022/23年度の大豆生産量は、前回より76万4800トン下方修正されたものの、1億5271万2800トン(前年度比21.6%増)と前年度を大幅に上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった20/21年度の記録を更新すると見込まれている。これは、作付面積が前年度より3.3%増加することに加え、前年度、深刻な雨不足で大きな被害を受けた南部3州や中西部のマットグロッソドスル州で大幅に単収が回復するためである。
 州別で見ると、主産地の一つである南部のリオグランデドスル州の生産量は、2022万9000トン(同2.2倍)と前年度の落ち込みから大幅に回復すると見込まれている。ただし、今回、同州では生産量の8.0%に当たる176万9900トンが下方修正された。これは、不均一かつ不規則な降雨により作物の発育状況の地域差が大きく、多くの地域で水不足による発育不全などが発生したためである。また、最大の生産地である中西部のマットグロッソ州では、降雨により東部および中部の水不足が改善するなど、作物の生育状況はおおむね良好である。
 22/23年度の需給状況を見ると、輸出量が前回より267万8900トン下方修正される一方、加工量が前回より206万6600トン上方修正された。これは、ディーゼル油に対するバイオディーゼル油の混合比率が、今後、引き上げられると見込まれるためである。
表
図1
図2
参考1
参考2
【井田 俊二 令和5年1月19日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9472