英国農業園芸開発委員会(AHDB)は、2023年1月23日から2月25日までの間、「週の半ばに豚肉を(Mix up Midweek with Pork)」と銘打った消費者向けの豚肉消費拡大キャンペーンを開始した。6年目を迎える同キャンペーンでは、豚肉は脂肪が多い食肉という昔ながらの消費者の認識を、ヒレやロースなどの脂肪の少ない健康的な食肉という認識に変わるように促し、健康的な食事の選択肢として豚肉の消費を推奨している。
手頃な価格の健康的で簡単なレシピを紹介しながら、テレビやソーシャルメディア、主要スーパーマーケットでキャンペーンを展開しつつ、今回のキャンペーンでは、特に1990年半ばから2010年に生まれたZ世代に焦点を当てている。AHDBのドッド豚肉シニアマーケティングマネージャーは、「私たちの目標は、長期的に豚肉の需要を維持するため、ますます重要な客層となっているZ世代の買い物かごの中に、豚肉が常に入っているようにすることである」と述べている。そのため、主に食事を扱うZ世代向けのメディアと提携し、食通インフルエンサーが、ビタミンB12などの豚肉の栄養面の利点を強調しながら、豚肉レシピの紹介をしている。
キャンペーンの効果は、その前後で消費者の意識に関するアンケートを実施することで測っている。物価の上昇が社会問題となっていた昨秋に行ったキャンペーンでは、豚肉は栄養価が高く、万能で手ごろな価格の食肉であることをアピールすることで、アンケート回答者の92%が豚肉は健康的な食事の選択肢として伝えられたことを認識し、75%がキャンペーン後に豚肉に対する考え方が変わったという結果を得るなど、豚肉に対する消費者の認識をポジティブに変化させることに成功している。
今回のキャンペーンでは、優良な英国産農産物であることを認証する“赤いトラクター(Red Tractor)”のロゴのある豚肉を可能な限り使用し、英国産豚肉を積極的に宣伝することも目標としている。同マネージャーは、「このキャンペーンを通して英国の養豚生産者も恩恵を受ける」と述べている。Z世代を対象とした今回のキャンペーンにより一層の成果が期待されている。