米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2023年2月8日、2022/23年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
これによると、世界の生産量は3億8301万トン(前年度比7.0%増)と前月から500万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジル、これに次ぐ米国はいずれも前月から据え置かれたが、アルゼンチンが干ばつの影響などから450万トン下方修正されたことが影響した。また、ウクライナは作付面積の減少から同じく下方修正された。
輸入量は、世界全体で1億6407万トン(同4.4%増)と前月から25万トン下方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は前月から据え置かれた。
消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億2390万トン(同3.5%増)と前月から342万トン下方修正された。このうち、最大の消費国である中国は、国内での需要減少が見込まれることで前月に続き100万トン下方修正された。また、遺伝子組み換え大豆の輸入制限の影響からパキスタンでの減少も見込まれている。
輸出量は、世界全体で1億6747万トン(同8.8%増)と前月から6万トン下方修正された。このうち、アルゼンチンは減産見込により前月から150万トン下方修正されたが、最大の輸出国であるブラジルは前月から100万トン、隣国のパラグアイも50万トンそれぞれ上方修正されたことで、これを相殺している。
この結果、期末在庫は1億203万トン(同3.2%増)と前月から149万トン下方修正されたが、中国の在庫水準が高いことなどから引き続き1億トン台を維持している。