2022年12月末フィードロット飼養頭数、2期連続の減から回復(豪州)
豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は2月20日、四半期ごとに共同で実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2022年10〜12月期)を公表した。
これによると当期(22年12月末)のフィードロット飼養頭数は、114万5228頭(前年同期比1.3%減、前回比8.4%増)となり、18年3月末以降、20期連続で100万頭を上回った(図1)。これに対しALFAは、「エネルギーコストや人件費の高騰など依然として厳しい経営環境が続いたにもかかわらず、20期(5年)連続で飼養頭数が100万頭を越えたことは、穀物肥育部門がニューノーマル(新しい常態)にあることを証明するもの」としている。また、フィードロット収容可能頭数が過去最高となる153万2816頭(前年同期比5.5%増、前回比1.4%増)を記録し、17年比で2割弱増加したことについて、「豪州の牛肉産業にとって穀物肥育部門の重要性をさらに強調するものである」とした。
この結果、フィードロットの稼働率は74.7%と前回調査(22年9月末)の69.9%から4.8ポイント上昇し、下落傾向に歯止めがかかった。
フィードロット飼養頭数を州別に見ると、すべての州で前回調査を上回る結果となった(表)。これに対しALFAは、穀物の主産地である西オーストラリア州を中心に冬作物の収穫期を迎え、小麦をはじめとする穀物価格が下落したことを理由に挙げている。
一方、当期の穀物肥育牛と畜頭数は、61万8511頭(前年同期比14.8%減、前回比13.4%減)と、長雨による肥育不良などの影響を受けて前年比、前回比ともにかなり大きく減少し、22年の累計でも274万2299頭と直近5年間で最低水準となった(図2)。
しかし、同年のと畜頭数全体(牧草肥育牛を含む:584万6600頭、前年比2.8%減)に占める穀物肥育牛の割合は47%と過去最高を記録した(図3)。これに対しMLAは、「牛群再構築により牛の供給がひっ迫する中で、穀物肥育部門が果たす役割はより強固なものになっている」としている。
【工藤 理帆 令和5年3月1日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:工藤 理帆)
Tel:0335834394