2022/23年度(7月〜翌6月)の豪州の生乳生産量見込みについて、前回の報告書(22年12月)では具体的な数値で示されることはなかったが
(注1)、今回の報告書では、前年度比で4〜6%減少し、800万〜820万キロリットル(824万〜845万トン相当)になると見込んでいる。この要因としては、肉牛価格や地価の高騰、労働力不足などの「pre−existing pressures(既存の圧力)」に加え、生乳生産量のピークを迎える春期(南半球である豪州では9〜11月頃が春となる)の多雨および洪水被害が深刻であったことを挙げている。しかし同時に、22年12月の生乳生産量が急激に回復したこと(同年11月:前年同月比9.7%減、同年12月:同6.5%減)を挙げ、酪農家や加工業者などの関係者が課題に適切に対応し、被害を最小限に留めた結果だとしている。その分析を裏付けるように、23年1月の生乳生産量は、前年同月比3.6%減にまで回復している(図)。
(注1)詳細は、海外情報「2022/23年度の生乳生産量は減少の見込み(豪州)」を参照されたい。