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40年ぶりとなる第3次全国土壌センサスの実施を通知(中国)

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最終更新日:2023年3月30日

 中国国務院は2022年2月17日、全国の農地の地質調査を包括的に行うための第3次全国土壌センサス(注)の実施を通知した。約40年ぶりとなる本調査では、土壌の種類や分布状況、また、土壌資源の現状などを明確にし、土壌の品質、特性、利用状況などをデータ化するとともに、土壌資源の保護と効率的な土壌利用の推進により、農業生産構造の最適化を図り、食料安全保障の確保、農業および農村の近代化、農村の活性化を包括的に促進するとしている。
 調査の対象は、耕地、園地、林地、草地などの農地と未利用地の土壌であり、このうち、林地と草地は食料生産に関わる土地、未利用地は塩害などにより利用が困難ながらも再生可能性の高い土地の調査に重点を置いており、調査地域は国土の8割弱に当たるとされる。
 本調査の取りまとめなどを行う全国土壌センサス事務局は、22年に実施した先行調査の際、円滑な調査の実施を目的に全国土壌センサスの宣伝スローガンを集めるキャンペーンを実施している。中国全土から合計2090件の応募があったとされ、統一スローガンとして10件、各関係機関が選択的に使用できるスローガンとして40件の合計50件がそれぞれ決定された。スローガンには食料生産の基礎は土壌にあることを示すものや土壌性質の把握による生態系保護を示すものなどが含まれているとされる。全国土壌センサス事務局は、23年に入り各地で本調査に向けた研修会を実施しており、先行調査の結果の報告や技術的な手法の確認および訓練など、本調査の適切な実施に向けた取り組みが進められている。
 
(注)中国は過去に2回の大規模な土壌調査を実施している。第一次調査は1959〜61年にかけて実施され、主に耕地資源の有無を重点に調査が実施された。第二次調査は基本期間として79〜84年にかけて実施されたものの、調査の集計に94年まで要した大規模な調査となった。今回は2022年から25年の4年間と前回より期間が短縮されているものの、22年は準備期間として全国先行調査を実施した。本格的な調査は23年から24年にかけて実施され、24年末までに全国各地でのサンプリングや実験室内での試験を完了するとされている。最終の25年にはデータ分析および結果が取りまとめられ、全国レベルのデータベースと耕地品質レポートおよび土壌利用適正評価レポートが作成される予定となっている。
 
【海老沼 一出 令和5年3月30日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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